2021年5月4日火曜日

ぼくはほとんどマスクをしなかったけれど


 

 

愚かな人には、ただ頭を下げよ

カール・ポランニー

 

愚かさとは、結論せずにはいられない心の動きよりなる

ギュターヴ・フロベール

 

 

 

あぶないウイルスが広がったとか言われ

話すときに口から飛ぶ唾に

そのウイルスはいっぱい入っているからとか言われ

だからひとと会うときにはマスクをして

ウイルスが飛ぶのを防がないといけないとか言われた

2020年

ぼくはほとんどマスクをしなかったけれど

ついにウイルスに感染しなくて

アルコールを手につける消毒もしなくて

日常生活はいつもより平穏で

まあ悪くなかったな

2020年って

そう思って

年を越えたのでした

 

2020年の2月3月の頃までは

それでも

するようにしてたなぁ

マスク

あの頃はウイルスの出現を信じてたし

人間が地球環境を痛めつけ続けているものだから

いろんなウイルスが報復してきても

ぜんぜんおかしくないと思っていたから

ちょうど花粉症の時期にも重なって

マスクは花粉避けに有効だから

するようにしてたなぁ

マスク

4月のはじめ頃

ヒノキ花粉が少なくなるまでは

 

でも2020年の4月中には

ウイルス騒ぎがインチキだとわかっていたので

初夏をむかえて暑い日も出る頃は

もうマスクなんてしなくなっていた

どうしてインチキがわかったかって言えば

それはそれ

情報収集の時間と忍耐力が違うもの

1日24時間は数台の端末で情報収集し続けで

少なくとも8時間ほどはウイルスのことだけ追う

そういう2020年だった

 

情報というものを

どれは真

どれは偽

と判定するのはシロウトのすること

ことに自分の専門外の領域についての情報は

そもそも真偽を定める尺度を持たないのだから

真偽判定をすること自体がナンセンス

だから

いちいち真偽判定をしようとはせず

とにかく多量の情報を意識の中に流し続ける

ウイルス学者や感染症学者が言っている情報も

政府機関が発する情報も

市井の科学マニアが出してくる情報も

ウイルスはM567星雲からの超小型宇宙兵器だと断じるような

どんなにアホらしく見えるトンデモ情報も

とにかくすべてを自分の意識に通して

記憶領域や無意識領域に投入させておく

 

そうすると

ある程度以上の情報量になったあたりで

個々の情報間にかならずそれなりのメタ構造が浮き上がってくる

比喩的に言えばおのずと構造主義的分析が起動し

いわば情報領域における一般意志のようなものが形成されてくる

これはルソー的アプローチによるいいかげん説明だが

ヘーゲル的アプローチによるいいかげん説明をしようとするならば

たいていの人が読み終えない『精神現象学』の後半の概念で言えば

すべての「本質の本質」の浮かび上がりということになる

もちろんレヴィ=ストロースが使った構造主義的炙り出しという認識で

十分といえば十分なわけだが

 

どんな怪しい曖昧なトンデモ情報でさえ

他の多量の情報の中に投入すれば価値ある機能をしてくれる

いわば偽情報というものの構造的有用性ということになるわけだが

この有用性を発揮させるには

まずは途方もなくタフなアットランダムな多量情報への

意識のさらし続けが必要とされる

早急な結論づけを避け続けて

流入してくる情報を理知領域で飲み込み続け

そうして精神が本来持っている

構造主義的本質看取能力を起動させること

 

思い出されるギュスターヴ・フロベール

「愚かさとは、結論せずにはいられない心の動きよりなる」

先端科学の成果で世間では権威と見られる科学論文誌にあっては

10年もすれば論文の9割が誤っていたとわかり

いつのまにか消えていっているという

人間精神はものそのものを扱うことができないので

あらゆる思考は表象によってのみ行われるが

表象化の手段や過程はまた別の科学と仮説によってのみ準備され機能する

科学知はすべてが表象から成っていてそもそも永遠に仮説でしかないが

2020年に煽られたウイルス騒ぎを構成した仮説の山は

はて

はてはてはて

どのくらいすれば誤った表象作業の結果だったと暴かれ

偽情報の堆積に過ぎなかったと露呈されるだろうか

2021年においても未だに

ガリレオの主張は世間にひろく受け入れられてはおらず

製薬会社の御用学者や御用医師や大企業用広告ボックスたるテレビ

天動説を連日連夜がなり立てているようだが





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