行かなくてもよかったのだが
つまらない善意と興味本意さから
埼玉の大宮とかいうところの奥地まで何十年ぶりに出かけ
時間つぶしも兼ねて
医療施設の食堂でカレーを食べてみたら
カレー自体の味はそう悪くも良くもなかったものの
ご飯がダメ過ぎて
ダマっぽいというか何というか
ところどころ塊になっていたりする
うまいものを期待して注文したわけでもなかったが
それでも
こんなものが700円以上するので
文化の差というか
生活レベルの差というのは
こんなところに歴然と出てしまうのか
と思い直した
思い出したのは
たびたび行く神保町の中国料理店で
このあいだ
そこではじめてカレーを食べた
賄い料理だったものを客にも出すようになったそうで
カレーの名店がいっぱいの神保町では
カレーで御座いとは恥ずかしくていえませんけれど
と店主は言っていた
ところが試してみたら
これがうまいし量も多い
しかも東京のど真ん中で900円しかしない
わたしが選んだのは
このカレーにこの店の名物の豚角煮が三切れ載っているもので
それが載ると値段が少し上がってしまうが
うまさは倍加する
中国料理店でカレーなんぞ
と長いこと拒否してきたのだが
なんでも一度は試してみるものだなと
ちょっと開眼させられた一品だった
どうしても
このふたつのカレーを比べてしまう
ど田舎なのに700円以上のダメカレー
神保町の名品の900円カレー
まぁ
文化の差だの
生活レベルの差だの
大げさなことを言うほどのテーマでもないのだが
しかし
こういう差は
受けてきた批評の量の差から来るものだろう
あるいは
耳に飛んでこなくても
客の脳内や舌の上で発生するであろう声なき批評を
どれだけ聞き取れるか
その敏感さによる
さんざん批判され
ビシバシやられてきたか
来なかったか
いわゆる文化というものの形成には
他の道などあり得ない
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