2022年3月23日水曜日

フィクションと現実

 

 

フィクションと現実

という対抗をすぐに架構して

現実でなければいけない

などと言いたがる人もいるが

現実なるものをとらえ得るかどうかは

瞬間瞬間のフィクションを脳裏に作り上げる能力にのみ

かかっている

総合的構想力をフィクションというのだ

 

ひとりの人間がいま見えていて

その人間を判断しないといけないとする

見えているこちらの面だけでなく

背後や横を想像で補ったり

人物の過去や感性や考えを想像したりするだろう

これをフィクションという

 

編集はフィクションであり

言葉や映像もフィクションでしかない

 

そもそも

現実というものが存在したことがない

五官による情報収集が脳で統合されるまでに

すでに0コンマの時間が流れてしまっている

脳による統合もフィクションだ

 

ただの電磁波を網膜に受けて

あれは何色だの

どんなかたちだの

うつくしいだの

うつくしくないだの

ムダな判断を続けている

 

そういう世界態度自体がフィクションだ






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