フィクションと現実
という対抗をすぐに架構して
現実でなければいけない
などと言いたがる人もいるが
現実なるものをとらえ得るかどうかは
瞬間瞬間のフィクションを脳裏に作り上げる能力にのみ
かかっている
総合的構想力をフィクションというのだ
ひとりの人間がいま見えていて
その人間を判断しないといけないとする
見えているこちらの面だけでなく
背後や横を想像で補ったり
人物の過去や感性や考えを想像したりするだろう
これをフィクションという
編集はフィクションであり
言葉や映像もフィクションでしかない
そもそも
現実というものが存在したことがない
五官による情報収集が脳で統合されるまでに
すでに0コンマの時間が流れてしまっている
脳による統合もフィクションだ
ただの電磁波を網膜に受けて
あれは何色だの
どんなかたちだの
うつくしいだの
うつくしくないだの
ムダな判断を続けている
そういう世界態度自体がフィクションだ
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