どれほどわたしが
「哀愁」を
ふかく愛していることか
と
「憎悪」が
「悲嘆」に洩らした時
「冷酷」は
暑い南の孤島の
白砂や
澄んだ青い水を
夢見るように想っていた
また
ことわりもなく
自分の名を使われたことに
いささか
不愉快な気持ちになりながらも
「愛」は
太古より
肌身離さず伴ってきた妃
「残虐」のからだを
心持ちつよく抱きよせ
しかし
ここぞと絡みついてこようとする
「執着」や「貪欲」は
たくみに払い避けつつ
とうの昔に逝った
幼なじみの「純真」を
うっすらと思い出しながら
長い夜の闇に
溶け込んでいこうとしていた
すこし離れた窓のカーテンの蔭では
「悔恨」と「悦楽」が
もちろん
「愛」から隠れて
抱擁を続けていた
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