日録の古い記述を見直していたら
大学生の女の子から聞いた
ちょっと怖い話が簡単にメモされていた
北海道の子なので
冬休みのあいだ
北海道の自宅に戻っていた
ひとりで居間にいた時
窓もカーテンもない壁から
シャーッと
カーテンを引く音が聞こえた
一緒に住んでいるおじいちゃんに
あとで
そのことを言うと
ああ
あそこな
と
おじいちゃんは頷いた
むかし
誰かいると感じて
壁のほうを見つめたら
壁にな
目がついていたよ
カーテンを引く音は
おじいちゃんは
聞かなかったけどな
目は
見えなかったのかい?
おじいちゃんに
こう言われて
その子は
怖くなってしまった
しかし
もっと怖かったのは
夜も更けて
おじいちゃんと話していたのが
その居間で
しかも
その壁を背にして
椅子に座っていたことだった
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