2022年9月15日木曜日

ワケわかんない

 

 

 

文学者は革命家であってはならない。

あらゆる制度、体制に抵抗する反逆者であり続けなければならない。

 オクタヴィオ・パス

 

 

 

 

大英帝国の女王が死んだそうで

弔意をしめすために

帝国民が集まり

列をなして待っているんだそうな

 

ウエストミンスター宮殿に遺体を安置し

一般帝国民の弔問を受けるらしい

ある時点でYouTubeのスカイニュースのライブを見て

75万人も集まっている

宮殿に入るまでに30時間はかかる

というのを聞いた

 

ぼくは大英帝国臣民でもなかったし

福沢諭吉先生ふうに

天ハ人ノ上ニ人ヲ作ラズ

人ノ下ニ人ヲ作ラズ

と教えられ信じてきたし

あちこち見たり聞いたり学ぶにつれ

正真正銘のアナーキストになってきたので

(ちなみに“宗教的?”にはタオイストです

老子主義者といってもいいです

荘子も含めるのでZhuangzistでもあります

老荘主義者といってもいいです

龍樹主義者でもありますね

ナーガルジュニストとかNāgārjunistというのかしら

ふつうの仏教徒とはまったく違います)

へんな人たちだな

とやっぱり思ってしまう

 

宮殿に入るまでに30時間はかかる

30時間かけて宮殿に入る

そんなことをしようとする人が

75万人も集まってしまう

なんとかランドでアトラクションに乗るのに行列したり

そこらのラーメン屋で行列を作っている人たちより

いっそうワケがわかんない

やっぱり思ってしまう

 

しかも

ぼくなりにあちこち見たり聞いたり学ぶにつれ

やっぱり思想上の大人物たちだと認めるようになった

ホッブズやロックやヒュームやバークレーたちが

考えるのに四苦八苦して使った言語の使われている国で?

 

天皇機関説ならぬ

国王機関説ふうに考えれば

変遷変貌やまぬ歴史の流れの中で仮の制度を維持し機能させて

最悪の混乱を避けるための方便としての

しかたなしの王制という見方はもちろんできないことはなくて

ハイそういう方便としての制度の一役割を担った人でした

ハイそういう点ではご苦労様でした

と考えるのはわからなくはないが

30時間も並んで宮殿に弔問に行く必要までは

どう考えても

ない

 

自由かどうかといえば75万人それぞれの自由ではあるし

体力や忍耐力をこの際つけよう!という鍛錬のつもりかもしれないし

それならそれでどうでもいいことではあるが

でも

でも

やっぱり

ワケわかんない

思ってしまう

 

やっぱり

この地球というところの

現段階までのこの文明のありようっていうのは

ぼくには

ワケわかんない

 

まったく

 

まったくもって

 

あゝ

あの人もねえ

亡くなったのねえ…

ぐらいで

どうして済まさないのか

そこが

わからない

 

30時間並んで

臣民のものでもない宮殿に入って

遺体に弔問したって

なんにも本質的なことはかわらないし

解決もしない

 

それほど

暇だということかもしれないが…

 

どうかしている

 

人間として

どうかしている

 

そういうのを「人間的だ」と言いくるめてくるなら

そういうのでない「人間」を

ぼくは求めてきたし

これからも求めていく

 

王とか

宮殿とか

そこに人民が集まって30時間も待つとか

そんなこと

絶対にしてはいけないんだよ

 

そんなことをする方向に

人間のよき未来はないんだよ





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