2022年10月4日火曜日

Twitter一言居士でもないので

 

 

深夜

アスファルトの舗装道路を

すこしずつ進みながら

金属管の先を道につけて

埋めてある水道管が破損していないか

聞き取る仕事をする人が

映画「伽椰子のために」(小栗康平、1984

に出てくる

破損していれば

水流に砂利が混じる

その音を聞き取るのだという

 

主人公ふたりも

道路にじかに耳を押し当てて

道の中の音を

聞き取ろうとしてみる

 

この映画には

美しい決定的なショットが溢れているが

道路の音を聴く場面も

豊かな意味に溢れ

得がたいシークエンスを構成している

 

まるで

ひとの生そのものの

比喩のようではないか

などと

知ったふうな纏めかたは

しない

 

さいわい

評論家でもなければ

Twitter一言居士でも

ないので





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