新年の年頭から
余はひとり
「かはつるみ」なる古語に
親しんでいた
大納言源雅俊が
一生不犯の僧だけを集めて法会を催したことがあった
邪淫の戒を犯していない僧だけを集めたのだ
その時
導師として台座に上った僧が
撞木を取ったものの
鐘を打ちもせず黙って動作を止め
しばらく経った
どうしたのかと
周囲の者たちが心配していたら
導師の僧は
「かはつるみの場合はどうでしょうか?」
と言った
集まっていた人びとは
大笑いした
ひとりの侍が
「かはつるみは、何回ぐらいなさったのか?」
と問うた
僧は
「昨夜もちょっといたしました」
と答えたので
一同さらに大笑いの渦となり
その間に
僧は逃げ去ってしまった
「かはつるみ」とは
今で言う手淫である
皮交接という言い方もあって
興味をそそられる
『宇治拾遺物語』第十一の
「源大納言雅俊一生不犯金打せタル事」
にある
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