2024年1月31日水曜日

もう早春ですね

 

 

 

   離離たり原上の草 

   一歳ひとたび枯栄す 

   野火焼けれども尽きず 

  春風吹いて又生ず

    白楽天 「古原草を賊し得て別を送る」

 

 

 

 

もう

早春ですね

暦の上からは

24日の立春をすぎないと

春にはならないのですが

ことし

春はちょっと

気が早いようです

 

夜になって

用事で出てみたら

寒いといけないと思って

着てみたダウンジャケットが

暑すぎる感じでした

 

それでいて

もちろん

まだ冬ですから

夜ともなれば

空気は冷たいのです

 

けれど

早春の夜気の冷たさは

冬が深まっていく頃のものとはちがって

みずみずしい冷たさで

頬にも

耳にも

手の甲にも

触れてきます

まるで生命の湧き出はじめるような

新鮮さを伴っています

 

夜気の冷たさを

頬に受けとめながら

夜の町を

道から道へと歩いていくと

まるで

はじめてのような幸福感に満たされました

 

もちろん

ほかにも幸福なことは

いっぱいあったのですが

それらをすべて超えて

まるでこれこそが幸福ということで

いまからすべてははじまるのだ

というような気持ちに

つよくさせられていったのです





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