離離たり原上の草
一歳ひとたび枯栄す
野火焼けれども尽きず
春風吹いて又生ず
白楽天 「古原草を賊し得て別を送る」
もう
早春ですね
暦の上からは
2月4日の立春をすぎないと
春にはならないのですが
ことし
春はちょっと
気が早いようです
夜になって
用事で出てみたら
寒いといけないと思って
着てみたダウンジャケットが
暑すぎる感じでした
それでいて
もちろん
まだ冬ですから
夜ともなれば
空気は冷たいのです
けれど
早春の夜気の冷たさは
冬が深まっていく頃のものとはちがって
みずみずしい冷たさで
頬にも
耳にも
手の甲にも
触れてきます
まるで生命の湧き出はじめるような
新鮮さを伴っています
夜気の冷たさを
頬に受けとめながら
夜の町を
道から道へと歩いていくと
まるで
はじめてのような幸福感に満たされました
もちろん
ほかにも幸福なことは
いっぱいあったのですが
それらをすべて超えて
まるでこれこそが幸福ということで
いまからすべてははじまるのだ
というような気持ちに
つよくさせられていったのです
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