もう走り出してしまっていて
保つだろうか?
まだまだ
先は長いのに
柱貝、夜松の垂れふづけ、 ぐん!ぐん!ぐぐん!
お?図なき
なめらかに球体は回ってきていたが
先のことだ、先のことだ、と
罪だねえ、(おっと、色だよ、ここでは)、隘路
藍の
なめらかでなくってもよいことばかりなのに、よくない癖の
続く国
大きな蝶はいつのまにか来ていて
しばらく
羽根を開閉し
ゆっくりと飛び立っていく
わたしたちは茹だるような暑さのなか
太陽のひかりを陶然と受けて
(生きていた! ああ、生きていたね!……)
よき哉!
よき哉!
ささやくように
畳の上で
浮遊し続ける声がある
その声
なにを言っているのだか
よくわからないのだけれど
薄羽蜉蝣の
蔭
畳に薄く落ちさせるのを許して
夕暮れに
向かっていった
(生きていたのかしら? そんなことであっても……)
受け
ばっかりで
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