2024年2月14日水曜日

受け ばっかりで

  


もう走り出してしまっていて

保つだろうか?

まだまだ

先は長いのに

 

柱貝、夜松の垂れふづけ、    ぐん!ぐん!ぐぐん!

お?図なき

 

なめらかに球体は回ってきていたが

先のことだ、先のことだ、と

罪だねえ、(おっと、色だよ、ここでは)、隘路

藍の

 

なめらかでなくってもよいことばかりなのに、よくない癖の

続く国

 

大きな蝶はいつのまにか来ていて

しばらく

羽根を開閉し

ゆっくりと飛び立っていく

 

わたしたちは茹だるような暑さのなか

太陽のひかりを陶然と受けて

(生きていた! ああ、生きていたね!……)

 

よき哉!

よき哉!

 

ささやくように

畳の上で

浮遊し続ける声がある

 

その声

なにを言っているのだか

よくわからないのだけれど

薄羽蜉蝣の

畳に薄く落ちさせるのを許して

夕暮れに

向かっていった

 

(生きていたのかしら? そんなことであっても……)

 

受け

ばっかりで





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