気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
その大きな池も
晩秋
ひとりで行ってみたりすると
よいさびしさがあって
ひかりの移ろいに
こちらの人生が
すっかり
生きられていくようだった
たった一度だが
池の端にいて
まったく
風が立たなかった
ながいこと
池に向いて立っていたのに
そろりとも
風が立たない
鳥も鳴かず
上を飛んでもいかず
不思議なほどの
静寂だった
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