2022年6月19日日曜日

ランチの時間


 

あの人

急に死んじゃったんだよ

 

と

峰草さんが言うのを聞いたが

驚いた

 

峰草さんが

死んだと言っている人が

わきに来ていて

輝かしく

と大げさに形容したくなるほど

ニコニコと

微笑んで

わたしのほうを向いたり

峰草さんのほうを向いたり

し続けていたから

 

その人とくらべると

峰草さんのほうが

よほど顔色が悪くて

これこそ

死

というべきものじゃないのか

と思えた

 

ひょっとして

わたしも

峰草さんのように

死

の顔色をしているのだろうか

と不安に思ったが

わきに来ていた人が

「いや

あなたは大丈夫」

と

言ってくれたので

安心した

 

つい数日前のことです

 

『資生堂パーラー ザ・ハラジュク』での

ランチの時間でした

 

明治神宮の森の

みどりが

ちょうど鮮やかに美しく

遠くの高層ビルが

遠いむかしの

夢のかけらのように

立ち並んでいるのが

窓の外に

よく

見えていました






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