2025年4月23日水曜日

心は藤や牡丹や芍薬などに

 


 

ソメイヨシノにはもう興味はないなどと

誰彼かまわずに言っていたのに

いざ咲き出すとなると連日のように見てまわって

ことしは不思議なほど長く続いた桜の見頃を

昼も夜も歩き出て過ごしたことが多かったのだけれど

 

いよいよソメイヨシノの時期も終わって

好きな八重桜の花期がせっかくやってくるとなると

どうしたことか

ああ十分に開いてきたなと花手鞠の下を何度か潜るうちに

ずいぶん急に盛時は過ぎてしまって

いまひとつ堪能しないで終わってしまった気がする

 

連日見落とせないあれこれの打ち出されてくる

トランプ革命のひとつひとつを革命勢力側に付いて追えば

日にXの数百数千は読まねばならないので

いつのまにか日は夕暮れに傾いていってしまって

八重桜のたっぷりした重い丸まりのことを忘れてしまう

あたかも21世紀のトランプ革命に呼応するように書かれていた

18世紀のトマス・ペインの『人間の権利』*を同時にめくりなが

フランス革命批判をするエドマンド・バークへのペインの批判を

小賢しくトランプ批判をする疑似リベラルへの批判に読み替えなが

 

八重桜の盛りの頃は長野や大分で地震が連続した頃でもあって

いよいよ糸魚川静岡構造線が大きく揺れ出したかのようで

喧しく言われている日本列島の壊滅的な分断の始まりとも見えた

有名だった霊能者宜保愛子に親しかった人が宜保から聞いた予言で

2025年に日本はM92の大地震に見舞われて

40メートルの津波にのみ込まれて社会と金融は崩壊し

生き残った日本人も大恐慌と病気のうちに滅んでいくだろうという

それは1111日から11月下旬のことであろうというのが

他の現代の予言者や霊能者から語られる日付とは異なっている

 

ついさっき新たに耳にした予言では526日の夜10時頃に

首都直下型地震が起きて30メートルの津波が来るということだし

6月には福島で巨大地震が起こり

外国人たちは恐れをなして日本を離れていくだろうという

ふいにイタコのように予言を口走る幼児たちの話を

絵本作家ののぶみさんは執拗に収集しているが

昨日聞いたうちの幼児の話のひとつには

626日から日本はおかしくなり

米が完全になくなっておにぎりは作れなくなってしまうし

スーパーマーケットにはなにもなくなってしまう

そうしているうちに74日には「日本じゅうが海に溺れる」

 

6月には前例のないような最悪の大雨が降ると

すでに複数の子たちが口寄せのように予言しているし

数日前に聞いた38ヶ月の子の話では

51日と3日に大地震が来るということでもあった

くわえて今年いちばん“ヤバい日”は

72日と14日と15日と27日だという子もいて

今年の日本危機に関する発言や妄言は百花繚乱の趣がある

 

いずれにしてもよい話はなくて

ひたすら悪くなっていくばかりの今年の日本だが

それゆえにこそいっそう

今年の八重桜をしっかりと堪能しておくべきだったと

ちょっと悔やまれながら

心は藤や牡丹や芍薬などに走り出している

 

 


 

Thomas Paine : RIGHTS OF MAN  1791/1792




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