ソメイヨシノにはもう興味はないなどと
誰彼かまわずに言っていたのに
いざ咲き出すとなると連日のように見てまわって
ことしは不思議なほど長く続いた桜の見頃を
昼も夜も歩き出て過ごしたことが多かったのだけれど
いよいよソメイヨシノの時期も終わって
好きな八重桜の花期がせっかくやってくるとなると
どうしたことか
ああ十分に開いてきたなと花手鞠の下を何度か潜るうちに
ずいぶん急に盛時は過ぎてしまって
いまひとつ堪能しないで終わってしまった気がする
連日見落とせないあれこれの打ち出されてくる
トランプ革命のひとつひとつを革命勢力側に付いて追えば
日にXの数百数千は読まねばならないので
いつのまにか日は夕暮れに傾いていってしまって
八重桜のたっぷりした重い丸まりのことを忘れてしまう
あたかも21世紀のトランプ革命に呼応するように書かれていた
18世紀のトマス・ペインの『人間の権利』*を同時にめくりなが
フランス革命批判をするエドマンド・バークへのペインの批判を
小賢しくトランプ批判をする疑似リベラルへの批判に読み替えなが
八重桜の盛りの頃は長野や大分で地震が連続した頃でもあって
いよいよ糸魚川静岡構造線が大きく揺れ出したかのようで
喧しく言われている日本列島の壊滅的な分断の始まりとも見えた
有名だった霊能者宜保愛子に親しかった人が宜保から聞いた予言で
2025年に日本はM9.2の大地震に見舞われて
40メートルの津波にのみ込まれて社会と金融は崩壊し
生き残った日本人も大恐慌と病気のうちに滅んでいくだろうという
それは11月11日から11月下旬のことであろうというのが
他の現代の予言者や霊能者から語られる日付とは異なっている
ついさっき新たに耳にした予言では5月26日の夜10時頃に
首都直下型地震が起きて30メートルの津波が来るということだし
6月には福島で巨大地震が起こり
外国人たちは恐れをなして日本を離れていくだろうという
ふいにイタコのように予言を口走る幼児たちの話を
絵本作家ののぶみさんは執拗に収集しているが
昨日聞いたうちの幼児の話のひとつには
6月26日から日本はおかしくなり
米が完全になくなっておにぎりは作れなくなってしまうし
スーパーマーケットにはなにもなくなってしまう
そうしているうちに7月4日には「日本じゅうが海に溺れる」
6月には前例のないような最悪の大雨が降ると
すでに複数の子たちが口寄せのように予言しているし
数日前に聞いた3歳8ヶ月の子の話では
5月1日と3日に大地震が来るということでもあった
くわえて今年いちばん“ヤバい日”は
7月2日と14日と15日と27日だという子もいて
今年の日本危機に関する発言や妄言は百花繚乱の趣がある
いずれにしてもよい話はなくて
ひたすら悪くなっていくばかりの今年の日本だが
それゆえにこそいっそう
今年の八重桜をしっかりと堪能しておくべきだったと
ちょっと悔やまれながら
心は藤や牡丹や芍薬などに走り出している
*Thomas Paine : RIGHTS OF MAN 1791/1792
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