2026年4月8日水曜日

エブラヒム・ゾルファガリ報道官さん


 

アメラエルとイランの戦争

うっかり呼んでしまいがちになるが

アメラエルが勝手に仕掛けた侵略攻撃なので

アメラエル戦争と呼んでおくのが正しいだろうし

イランの側からすれば

戦争の所作も無視した一方的な攻撃を受けただけのことだから

防衛行為

の一語で済ますべき椿事であっただろう

 

ともあれ

戦闘行為は停止することになったようで

イラン当局は勝利宣言を出している

アメリカ側がイランに賠償金を支払うことになり

制裁解除に同意した

とイラン側は発表している

 

ロシアがやっているSputnikが伝えているので

もちろん

信じ込むわけではないが

それでも

何年にもわたって

さまざまな事件や情勢についての

たいていのSputnik見解は正しかったと思っているので

まあ

だいたいはこんなところなんじゃないの?

いちおう

受けとめておく

 

Sputnikによれば

もっと詳しくは

こんな感じだ

 

「米国はイランがホルムズ海峡を管理することに同意したほか、すべての制裁を解除し、ウランの濃縮活動を認めるほか、賠償金の支払いにも応じる。さらに、中東から米軍を撤退させることでも合意した。イラン国営メディアが報じた。

 

報道によると、イランの最高安全保障委員会は米側が十項目からなる停戦条件を受け入れたと発表。最高安全保障委員会は米側が受け入れたという条件について、以下の内容を指摘している。

 

・侵略を行わないことの保証

・ホルムズ海峡に対するイランの管理継続

・ウラン濃縮の許可

・あらゆる一次および二次制裁の解除

・国連安保理とIAEA理事会による決議の終了

・イランに対する賠償金の支払い

・中東からの米軍撤退

・レバノンで活動するイスラム抵抗勢力との戦闘を含む、あらゆる戦線での戦闘停止

 

仮に米国が少しでも停戦合意に違反すれば、全力で報復すると警告している。

 

イランの最高安全保障委員会は、大統領が議長を務め、軍や情報機関のトップで構成される国防・安全保障の最高意思決定機関で、核問題やホルムズ海峡の封鎖など、国家の存続に関わる最終判断を行っている。」

https://x.com/sputnik_jp/status/2041690879770190118

 

ほんとうにこの通りなら

ふつう

これを敗戦と呼ぶ

ベトナム戦争以来のアメリカの歴史的な敗戦で

アメリカの暴虐に81年ほどムカついてきている全世界は

ザマアミヤガレ!

(おっとトランプばりの暴言をうっかり記してしまった!)

と溜飲を下げていることだろう

 

この説明のおもしろいところは

アメリカが中東から引く

ということが記されているだけで

イスラエルをどうする

という点には言及していない点だろう

イランがイスラエルを攻撃し続けないようにする

などということは記されていない

つまりイランはイスラエル攻撃は続行できるが

イスラエルのことなんかアメリカはもう一切助けないよ

ということにもなるわけで

イランとの戦争をするという大芝居を打つことで

アメリカはじつはイスラエルを捨てる段取りをグッと進めた

とも言える

 

こういうところが

タロットカードの「愚者」を大げさに演じ続けるトランプの

なかなか複雑で

読解の難しいところ

ひょっとしたら

トランプはイランから送り込まれた工作員かもしれない

とまで

思って見ておいたほうがいい

 

少なくとも

彼がたびたびくり返す

「搾取され続けてきた」という発言は

アメリカ建国時からヨーロッパのどん深闇のDSに搾取され続けてきた

アメリカの立場を代弁しているもので

じつはかなり正確な発言をし続けている

イランのことも

かつてのペルシアだとか

イスラム教国だとかという目で見てしまいがちだが

ホメイニ革命で石油をアメリカから奪い取った大元の大元には

ヨーロッパDSがもちろんいるわけで

事態はそう簡単ではないわけ

 

奥田民生が作ってPUFFYに歌わせた

『これが私の生きる道』を

ひさしぶりに

うっかり

思い出してしまうが

「まだまだここからがいいところ」

なのだと

期待しておくべきだろう

ついでに

「世の中がすこし見えたね」

とか

「角度変えれば またイイ感じ」

とかも

思い出しておこうか

もちろん

イランへは

「悪いわね ありがとね これからも よろしくね」

ぐらいは

ちゃんと言っておかないといけないと思うよ

レプタリアン丸出し顔の老婆サナエちゃん!

https://www.youtube.com/watch?v=8RXUBBKAIs0&list=RD8RXUBBKAIs0&start_radio=1

 

 

ところで

対アメラエル侵略への防衛に当たっては

たびたび映像で

イラン軍のエブラヒム・ゾルファガリ報道官を目にしたものだった

中東の男子らしく髭をたっぷり蓄えて

いろいろと伝達事項をしゃべっている様子は

イランの首脳がごっそり殺された後の時局において

どこかぎこちない感じもないではなかったが

なんとこの人

数学の学士号を持ち

西洋哲学の博士号を取っていて

ペルシア語はもちろんだが

アラビア語も英語も

敵のヘブライ語もわかる人物である

どこかで歓談する時間がとれれば

プラトンについても

カントやヘーゲルについても

ニーチェやフーコーやドゥルーズについても

おしゃべりができる相手だろう

 

それに対して

アメリカ側のピート・ヘグセス米国防長官と来た日には

まあ

まあ

まあ

ネオナチや極右グループよろしく刺青を入れ

そのために州兵として不適格とされて排除された過去を持ち

性的虐待で告発した女性には口止め料を支払って黙らせ

公の場でひどく泥酔する札付きのオニイチャン

不倫相手との間に子どもを作り

実の母親からも「女性を虐待する男」だの

「嘘つき、浮気、遊び歩く人間」だのと言われまくっていて

これはどう見ても

大ボスのトランプが

罪をなすりつけて始末するのに便利なように雇った鉄砲玉

Daniel Mayakovskiさんが

スペイン語でXに投稿した文章には

そんなことが書いてありましたナ

いわく

 

A la izquierda, Ebrahim Zolfaghari, portavoz del ejército de lrán, es licenciado en Matemáticas, tiene un doctorado en Filosofía Occidental y habla 4 idiomas: persa, árabe, inglés y hebreo.

A la derecha, Pete Hegseth, secretario de defensa de EEUU, fue expulsado de la guardia nacional de Washington por nazi, pagó para callar a una mujer que le denunció por abuso sexual, tiene problemas con las drogas y el alcohol, fue infiel a su esposa y tuvo una hija con su amante, hasta su madre le acusó de maltratador.

Pero para Occidente el de la izquierda es el bárbaro y el de la derecha el civilizado.

https://x.com/i/status/2041052181109850314

 

 

Daniel Mayakovskiさんは

このXを削除してしまったらしいが

どうしたのかね?

ガセだったのかね?

知らんけど





2026年4月7日火曜日

タロットカードの愚者=Foolを思い出すこと

 


 

アメリカとイスラエルがイランに仕掛けた戦争で

ニュース業界は賑わっている

戦争や革命や殺戮を研究課題のひとつとしているぼくには

面白くてたまらない

 

戦争を面白いなどというと

ナンチャッテ平和主義のニャッポンではいまでも顰蹙を買いそうだが

戦争はあまりにいろいろなものを露呈させ

ありありと見せつけてくれるので

やっぱり面白い

面白いと言って悪ければ勉強になる

「勉強させていただいております」

とアメリカにもイスラエルにもイランにも伝えたい

 

どんなものが露呈されたか

といえば

なんといっても

民主主義の代表国を気取っているアメリカが

どこの国よりも民主主義ではないとバレてしまった点だ

 

最初からアメリカは

金をわんさと集めた者だけが政治権力を取る国で

いわゆるふつうの民にはわんさと金は集まらないのだから

もともと民主主義とは無縁な国である

 

今回もトランプという金満家が

まわりにIT金満家たちを集めて超絶金満大国を気取っている

学や良識や良心や人類の未来への夢や希望を持つ民が

この金満家政府をどんなに批判しようとも

もともと民主主義国家でないアメリカではどうにもならない

 

政治権力の命令の流れぐあいにおいても

アメリカが民主主義国家でないことはちょっと考えればわかる

アメリカ+イスラエルは(たぶんまとめてアメラエルとしたほうがいい)

イランの首脳人をまとめてごっそり殺してしまったようで

現在のイランはついこのあいだまでのトップを失っているのだが

それでも方針は揺るがずに抵抗を続けている

これと同じことをもしアメリカに対して行い

トランプ政権のトップをごっそり排除してしまったとしたら

イランと違ってアメリカの場合は体制崩壊となってしまうだろう

ひとつの国がもし本当に民の国だとしたら

トップがごっそり排除されても体制がかわるわけがないし

方針もさほどかわらずに国体は護持されていく

現在のところを観察してみると

イランのほうがよほど民の国であり民主主義国家っぽく見える

アメリカのほうはたまたま成り上がった金満家政府によって

国全体がねじまげられて支配されてしまっているように見える

このあいだまであったアタマを失ったはずのイランが

ほとんど変わらない抵抗のしかたを続けていられるのを見ると

ジル・ドゥルーズ+ガタリのリゾーム論の政治的体現を見るようで

樹形図型支配体制へのあのポストモダン時代の抵抗思想の現実化が

今になってようやく地上に発現したかのように見えてくる

 

ほんのちょっと眺めるだけでもこんなことが見えてきて

これだけでも十分面白くて目が離せなくなるが

発言がころころ変わる無責任な道化師のようなトランプが

昨今さらに円熟味を増してきていて

この人物のキャラクター設定や変更や増幅などが面白くてたまらない

いま道化師などとうっかり言ってみたが

道化師というよりもタロットカードの大アルカナの一枚

愚者=Foolを思い出したほうがいいだろう

ヘブライ文字ではアレフ(א)であるが

エリファス・レヴィなどは『高等魔術の教理と祭儀』で

ヘブライ文字シン()を当てている

愚者のカードの基本の意味は

正位置ならば

自由、無邪気、純粋、天真爛漫、可能性、

発想力、天才、型にはまらないこと

などを表わし

逆位置ならば

わがまま、軽率、ネガティヴ、焦り、イライラ、

注意不足、多動性、落ちこぼれ

などを表わすので

まさにドナルド・トランプそのものといえる

歩いて移動していく愚者の姿は

目的を持ってどこかへ向かっている旅人とも捉えられるし

無目的かつ無計画に放浪していく風来坊とも捉えられるが

黄金の冠を被っていたり持っていたりすることや

荷物を担ぐ棒を持っていることなどは忘れてはいけない

トランプが金髪で表現している黄金の冠は

王の象徴であるとともに権力の象徴であり

神と交信できる霊力のある者であることを表わしている

担いでいる棒はよく男根の象徴と見られ

繁殖と豊饒を呼び込むものであるとされるが

これらの持ち物を配することで愚者は

文化人類学におけるトリックスター概念と関わりあうことになる

山口昌男が生きていてトランプを見たら

昔なつかしいトリックスター談義にあちこち呼ばれて

きっと忙しい日々を過ごすことになっただろう

 

タロットカードやちょっとした黒魔術系の知識や

懐かしの文化人類学のあれこれのタームを思い出すだけでも

ドナルド・トランプがあえて意図的に

あまりといえばあまりに典型的に愚者を演じているのは

誰にも容易にわかるはずなのだが

世界や人界を見るためのそうした基礎知識や基本姿勢が

昨今のマスコミにもコメンテーター諸氏にも

あまりに欠け過ぎてしまっているところに

現代の本当の不幸はあるのかもしれない

 



あんなに若くて肌も張っていた娘たちが


 


じぶんのことはどうでもいいのに

ほかの人たちが老いていくのを見るのはさびしい

 

あんなに若くて肌も張っていた娘たちが

老いていくというほどではなくとも

肌のそこ此処にゆるみが隠れ込み出して

若かった頃の髪の乱れとはちがうほつれぐあいが

ところどころに見落とせなくなってきて

笑った時の口もとの襞が

ほんのちょっとだけでもほんとうの皺になってきていて

手の甲の乾きぐあいも立秋を

わずかながらも感じさせるようになって

 

じぶんのことはどうでもいいのに

こちらが老いていくのが見えてさびしいと

きっと思っているであろうほかの人たちの老いが

こんなにもありありと見えてさびしいけれど

さびしいと感じているうちは老いと拮抗しているのかもしれない

まだ夏のつもりで時どき汗ばむ日をぶつけてくる

秋のいくつかの日々があれほどあかるく豊かであるように





2026年4月6日月曜日

「私」から発して「私」からはなれていく


 


定住の家を持たねば朝に夜にシシリイの薔薇やマジョルカの花

斎藤史

  


詩人の山本かずこが

「〔同時代〕としての女性短歌」に

「不快な女の『病』」という文を寄せていた

 

詩人たちが

女性歌人たちに苛立つ際の

典型的な反応のひとつが述べられていて

1992年発行のものを前にして

今さらながらの感を禁じ得ないとはいえ

面白かった

 

「私」から発して、

「私」からはなれていくのが文学表現だとおもっているので、

いい作品は

歌をかかない人の「私」とも重なって、

歌いつがれていくのではないのか。

 

という

詩に接している人たちに共有されるはずの

というより

書き手としてであれ

読者としてであれ

フィクションや創作的言語表現全般に関わる人たちに

ひろく共有されているはずの

根本の根本を

山本かずこは吐露しているが

これが

女性歌人たちには共有されていない

ということに

彼女は驚いている

 

河野裕子の作った短歌

「垂直にふぐりといふは垂るものか鋭く繊き男と思ふ」

をめぐって

江川麻子が

「決定的に失敗作」である

と断じるあたりをめぐって

山本かずこの考察は動いていく

 

今では

あまり目にすることのできない文章なので

ここに全編を引用しておこう

 

 

不快な女の『病』   山本かずこ

 

さいきん必要があって、短い期間ではあったけれど、そしてきわめて限られた女性の作品ではあったけれど、短歌を読んだ。読んでいくうちに、いくつかの書物と出会ったが、そのなかの一冊に「歌うならば、今』(而立書房)というのがあった。今から八年前(一九八四年)、京都YMCA国際文化センターで開催された「春のシンポジウム」における全発言を収録したものである。「あとがき」によると、このシンポジウムは、女性の、しかも個人による企画・主催によるもので、この種の催しとしては、短歌史上初めての試みなのだそうだ。私はこれを読みすすむにつれて、そのすさまじさに、驚き、ドキドキして、どうしてかはわからないのだけれど、イライラした。


 出席している女性歌人の名前は、一連の書物を読んでいるうちに見知った名前が多かったから、短歌の世界では、実力は知らないけれど、名前だけはよく知られている方なのだというぐらいにはわかった。その中堅どころ、そして新鋭というポジションにいるとおもわれる方たちのディスカッションを読んでいて、「でも、これは今から八年前のことなんだから」と何度もおもいながらも、現代短歌の世界の女性のかきての、女としての「病」を感じた。さっきのイライラした感情は、赤裸々な女のナマな「病」にいきなりつきあわされた、そのことの不快さにつながるのだろう。

そして、この種の「病」というのは、八年たったからといって、よくなる種類のものではない、ともおもった。さらに驚いたことは、短歌とは他人の読み方を気にしたり、ときには受け入れたりしながら成り立っているもののような気がしたことだった(そういうつもりでかいたのではない、こういうつもりでかいたのだ、と自己解釈をしなければ気がすまないことも含めて)。私には、それは作品そのものがいつかすることであると、おもえるのだけれど、まるでひとつの歌をめぐって裁判をひらいているかのような印象を受けたのだった。文学とは無縁の場所にはいりこんだような気がした。デイスカッションのなかで、裁判にかけられていた短歌は「性」に関する歌が多く、特に「新進気鋭の若者たち」と紹介された人々の口から〔声明文〕が読みあげられているのだった。 江川麻子という人が河野裕子という人の「垂直にふぐりといふは垂るものか鋭く繊き男と思ふ」という歌について「男性からは非常にうけるのだけれども、女性からは総スカンを喰らってしまうという一群の作品があ」る、としてこの歌をあげていた。この「総スカン」を喰らっている理由のひとつとして「鋭く繊き男」という表現をあげ、「男というものが鋭く美しいのではなく、この男は鋭く美しい、つまり私の男はいい男(笑)、こういう構図なのです。しかも、自分の男を肯定しながら、それを所有する自分自身を肯定する、したり顔が、同性の目には見えてしまう」といっている。

私は、正直にいって、びっくりした。「私」から発して、「私」からはなれていくのが文学表現だとおもっているので、いい作品は歌をかかない人の「私」とも重なって、歌いつがれていくのではないのか。江川という人の発言は、そこまでが射程にはいっていない、とおもったのである。それに、作品の出来不出来云々の前に、私の男はいい男と心底おもってそれをかいてどこが悪いのだ、という形式を超えての素朴な疑問もある。なおも江川という人は「男性に向かって演技しているこの作品の構造が女性の読者にはつぶさに見えてしまうので、この作品はつまらない」のだ、という。「決定的に失敗作」である、とも。
 この発言は「女性の読者」という衣を借りてはいるけれど、「女性の読者」とは、すなわち自分のことだというのがよくわかる。なぜなら、最低限、私などはそうはおもわないからだ。「女性の読者」などという、正義を振りかざしたような物いいをしないで、「私」はいいとはおもわない、といえばいいのではないか。そのほうがよっぽどすっきりする。よっぽど美しい。この江川という人の発言を受けて、佐藤よしみという人もまた「河野さんは感覚的な人だから、無意識に男うけする歌をつくっている部分があると思います。それは今後、私たちがビシビシ斬っていく中で、河野さんだから変わっていくだろうと思うわけです」と滑稽きわまる判決をいい渡していた。このときの「私たち」も、やはり「私」といったほうがいいのに、とおもった。「私」へのこだわりは、まさに短歌的課題ともつながるのではないか、と門外漢ながらそうおもった。


 すべて一冊の本を読んでの感想文にすぎない。河野裕子という人に義理だてしなければならないなんの理由もないのももちろんだ。


 ただ、性の描写について、私は敏感に反応する自分をあらためて確認したといえばいいのだろうか。それにしても私が(現代)詩を選んでいるのは、いっさいのモチーフや主題は通じなくてもいいけれど、詩をうまくかきおわったとき、「この放出した感じだけは伝わるはずだという希望をいだく」(吉本隆明『詩とはなにか』)、つかのまの至福にあるのだとおもう。


 その気分は私にとって手放せないものだ。そして私なら性の描写はこんなふうにやる。願わくは、「私のいい男」をもつ女性に読んでほしい。

 

あなたの

汗の はげしい

雨を浴びながら する

夏の行為のあいまには

ベッドのそばに立って

かたちのいい
美しい

あなたのお尻を見せてちょうだい

それから そのまま

なんどでも ゆっくりと

私の方を向いて

(あなたが ほんとうに男であってよかった

(私が ほんとうに女であってよかった

目に見えるものからも

目に見えないものからも

目をそらさないで きょうの

私は

そのことだけが言いたかったのだと思う
(「夏の行為」  詩集『愛の行為』所収)*

 

 

最後の「夏の行為」は

元の文章では

行数節約のためにスラッシュを使ってまとめられていたが

ここでは

詩のかたちに復元しておいた

 

「私たち」を平気で使い続ける

というか

平気で「私たち」という虚構の砦に籠もってしまう歌人たちに比べ

詩人たちは

「私」という軽装か

あるいは

味方のまったくいない孤絶さを拠点として

言葉を紡ぐ傾向がある

 

この両者のスタンスの違いは

とほうもなく大きいとも言えそうだが

私には

じつはたいした違いはないとも見えてならない

 

山本かずこと違って

私は和歌も短歌もおいしがって喰らうので

歌人たちの趣向も癖もよくわかって面白がっているつもりだが

そうではあっても

女性歌人達に対する山本かずこの苛立ちも

やはりよくわかる

 

自由詩も

短歌も

俳句も

論文も

エッセーも

おちゃらけ文も

戯文も

メモも

なんでもおもしろがる私からすれば

より射程のひろいドンファンになればいいだけのこと

と見えもする

 

山本かずこは

ミッドナイトプレスの岡田幸文氏の夫人で

岡田幸文といえば

かつては詩誌『詩学』の編集長であり

後には詩誌『ミッドナイトプレス』の編集長でもあった

岡田幸文氏からは

『ミッドナイトプレス』への詩の依頼を何度かもらい

まずい詩を寄せさせてもらった

外苑前のハウル(Howl)で

朗読会やレクチャーをする時にも

よく聞きにきてもらった

夫人の山本かずことも

そんなおりに出会ったものだった

 

その頃は

山本かずこは着物を着ていたので

着物雑誌『美しいキモノ』で編集者をしていた私の妻の頼みを伝えて

雑誌に出てもらったことがある

いつの年のいつの号だったか

もう覚えていないが

探せばどこかに必ず見つかるだろう

 

2019年に69歳で亡くなった岡田幸文氏について

山本かずこが記した

『岡田コーブン ただ、詩のそばで』**

まだ読んでいなかったので

ついさっき

注文したところだ

 

次の土曜日か日曜日には

たぶん

届いているだろう

 

 

 

 

*「〔同時代〕としての女性短歌」(河出書房新社、1992,pp.306-307

**『岡田コーブン ただ、詩のそばで』(ミッドナイト・プレス、2024)




2026年4月5日日曜日

与太話ひとつ


 

アメリカ合衆国の民主党のストラテジストをながく務めてきた

ジェームズ・カービル(James Carville)が

これからドナルド・トランプになにが起こっていくか

指摘している

 

そもそも

敵陣営のボスに対する見解であって

この人の言説そのものに

たっぷりと政治的歪曲がまぶされているはずで

ちょっとでも信じてみる必要は

べつにないのだが

それでも

政治の現実をよく知る人の言葉としては

傾聴しておくべきか

 

ワシントンのリーダーが崩れる時というのは

「ある日突然」なのではない

少しずつ始まるのだ

とカービルは言う

 

まず

まわりにいた人びとが離れていく

 

電話が返ってこなくなる

側近も距離を取る

 

裏では

しずかに捜査が進んでいく

資金の流れや

関係者たち

ひとりひとりの過去の記録が

すみずみまで

調べられていく

 

問題は

どんどん広がっていく

 

法的リスクが増えていき

味方が減っていく

 

そして

最終的に

完全に孤立する

 

というのも

人はリスクから離れるものだからだ

とりわけ

政治の世界にわざわざ出てくるような人種は

この行動原理を至上のものとして

生きている

 

ワシントンという場所は

負け馬に乗ってはいけない

というルールで

できている

 

負け馬に乗るようでは

リスクが

巨大すぎるのだ

 

リスクは

避けなければいけない

極小にしなければいけない

 

もちろん

そっちはそっちで

めちゃくちゃに問題の多すぎる民主党の

そこのストラテジストが言うことを

信じる必要など

まったくない

 

右も左も

与太話だけでできている

アメリカのことだから

与太話として

なんでも

楽しんで聞いておけばいい

だけ

 

いちおう

以下は

X」よりの引用とリンク

 

James Carville, a longtime Democratic strategist,

went straight at Trump, no filter.

 

He’s basically saying

Trump doesn’t see what’s coming yet,

but when it hits, it’s going to hit hard.

 

From there, he walks through how things start slipping.

 

Calls stop getting answered.

People around him slowly start backing off.

On the surface it might look normal,

but behind it, investigations are already kicking in.

 

And those don’t stay small.

 

He says they follow the money, pull in family,

and dig into everything tied to him.

 

Then it just builds.

 

More legal trouble, even outside the U.S.,

less protection, and allies slowly turning.

 At the same time,

old records and documents start coming out.

 

Step by step, the picture he paints is

Trump getting more isolated,

with fewer people around him

and more pressure closing in.

 

Source:  Politicon YT

https://x.com/i/status/2040105815323857158