縁起ということ、それをわたくしは空性と説く。
いかなる法も縁起でないものはない。
それゆえ、どんな法も空でないものはない。
龍樹 (Nāgārjuna) 『空論』
最近アップしたYouTube動画のなかで
宇宙人から伝達を受けているという石井数俊は
宇宙の大きな知的エネルギー体からの教えが
「端末」である地上の複数の人間に伝達されることで
個々の受信者の個性や環境や偏見によって色付けられ歪められなが
「宗教」が形成されていくことを語っていた*
これを聞きながら
大乗仏教における唯識論の無着や世親の場合も
ひょっとしたら
同じことが起こっていたかもしれない
と思わされた
法相宗の伝承によれば
無着は唯識論を弥勒菩薩から教わったという
夜な夜な無着が兜率天に上って教わったともいうし
弥勒菩薩みずから無着の住むアヨーディヤーに降りてきて教えた
ともいわれる
弥勒菩薩とはもちろん
仏の入滅後五十六億七千万年の後に
この世に仏となって出現するべく
兜率天で修行中
ないしは説法中の仏界の第一プリンスであり
いっぽう
イメージ的に補正ないし補強しておけば
「無着」と中国語訳される人物はインド名ではアサンガAsaṅg
現在でいえば北インドの
パキスタン領となるペシャワールの人物で
「無着」
まるで違っていたはずである
今の日本のあちこちのコンビニで働いている
中近東の青年やパキスタンやバングラデシュの青年のような
あんな顔立ちの瑜伽行者であり哲学者であっただろう
弥勒菩薩から教わったとなれば
これは現代のスピリチュアル系が好んで信じたがる
宇宙的エネルギー知性体から伝達を受けたということになるが
唯識論の高度な非地上的議論を思えば
いかにもそれにふさわしいとも感じられるものの
無着に唯識論を伝授したのは現実の生身の人間であって
その名がたまたま天上の弥勒菩薩と同じ名の
弥勒(マイトレーヤーmaitreya)であった
という説もある
弥勒論師から無着に伝えられ
さらに無着から世親へと唯識論が伝えられていくという説を立てた
日本の宇井伯寿博士で
曹洞宗僧侶のこの人はインド哲学と仏教学の学者で
駒澤大学学長を務め
文化勲章受章者にして帝国学士院会員なので
いい加減な思いつきで
弥勒―無着―世親
の系譜を立てたわけではない
とはいえ
彼の後の時代には
チベットと中国における弥勒研究が進んで
伝承の食い違いもわかってきて
宇井伯寿博士の説も不確かなものに見られるようになり
むしろ
スピリチュアル系の宇宙知的エネルギー体からの伝授説にも
それなりの勝機が残されるようになってきている
無着から世親に唯識論が伝授されたのは
世親が無着の弟だったためで
「世間の身内、親戚」という意味あいの名を持つこの人物は
インド名ではヴァスバンドゥVasubandhuであり
やはりペシャワールの人だった
はじめは小乗仏教の教団で出家したが
はやいうちに大乗仏教へ転向した兄の無着に勧められて
みずからも大乗仏教へと転向している
*「銀河連合からのメッセージをお伝えします【石井数俊 宇宙 アセンション】」
https://www.youtube.com/watch?