今年のフランスの騒乱の際に
昔なつかしい極左の亡霊があちこちで声を張り上げ
若者たちときたら
ソビエト連邦軍の軍歌である「カチューシャ」を合唱していて
おやおやおや
まるでザ・ビートルズの「Back in the U.S.S.R.」のノリじゃないか!
と世界的懐メロを思い出してしまった
Been away so long, I hardly knew the place
Gee, it’s good to be back home
Leave it till tomorrow to unpack my case
Honey, disconnect the phone
I’m back in the U.S.S.R
You don’t know how lucky you are, boy
Back in the U.S
Back in the U.S
Back in the U.S.S.R
長く不在にしてたから、ずいぶん変わっちゃんたけれど
いやぁ、故郷に帰るってのはいいもんだ
荷物を解くのは明日にして
ハニー、電話も無視しよう
ソ連に帰ってきたんだ
どれだけしあわせなことか、わからないだろうな、きみには
ソ連に
ソ連に
ソ連に帰ってきたんだ
https://www.youtube.com/watch?v=nS5_EQgbuLc
ぼくは16歳の時にはじめてイギリスに行って
ひと夏を
イギリス人の若者たちと
ウィンザーからそう遠くないとはいえ
ずいぶん田舎のウィンクフィールドの学校で過ごしたが
毎晩のダンスパーティーで掛かる音楽でいちばん多かったのが
ザ・ビートルズの「Back in the U.S.S.R.」と「Rain」だった
日本でならもっと他の曲が掛かりそうなものだが
どうしてこの二曲が1番人気だったのか
ちょっと戸惑ったものだ
ともかく
日本でひとりでザ・ビートルズを聴く時には
それほど毎日聴こうとするわけでもない「Back in the U.S.S.R.」は
イギリスでのこの毎晩のダンスパーティーのおかげで
記憶に刻みつけられるに至った
日本語にわかりやすく訳すと
どれだけしあわせなことか、わからないだろうな、きみには
ソ連に
ソ連に
ソ連に帰ってきたんだ
となってしまうが
You don’t know how lucky you are, boy
Back in the U.S
Back in the U.S
Back in the U.S.S.R
という英語の歌詞を聴き直すと
どれだけしあわせなことか、わからないだろうな、きみには
U.Sに
U.Sに
U.S.S.Rに帰ってきたんだ
となっていて
「U.S」はどうしたって
まずはアメリカのことを思わせるから
英語ならではの
遊び
してるなあ
ザ・ビートルズは
と
気づき直させられる
歌詞の他の部分でも
Well, the Ukraine girls really knock me out
They leave the West behind
And Moscow girls make me sing and shout
That Georgia’s always on my mi-mi-mi-mi-mi-mi-mi-mi-mind
Oh, come on!
ウクライナの女の子たちにはノックアウトされちゃう
西側の女なんて目じゃないぜ
モスクワの女の子たちを見ると
「わが心のジョージア」を大声で歌いたくなっちゃう
さぁ、カモン!
とあって
フルに遊んでる
「Georgia on my mind 」と来れば
もちろん
レイ・チャールズの「わが心のジョージア」で
アメリカのジョージア州のことなのだが
ソ連のジョージアといえば
今では同じようにジョージアと呼ぶようになった
旧グルジアのことで
こんなお遊びで
ザ・ビートルズはじつは
U.Sに
U.Sに
U.S.S.Rに帰ってきたんだ
と歌いながら
やっぱりアメリカのこともおちょくっている
とわかってくる
https://www.youtube.com/watch?v=ggGzE5KfCio
ともあれ
この歌に出てきた
「Ukraine girls」や
「Moscow girls」という言葉に刺激されて
「Paris girls」や
「Marseille girls」
「Nantes girls」
「Limoge girls」
「Lyon girls」などばかりか
いまやヨーロッパ全土に増殖しつつある
極左ガールたちのことも
歌いたくなってきてしまうところが
「Back in the U.S.S.R.」の楽しさだ
だが
忘れてならないのは
「Back in the U.S.S.R.」が
チャック・ベリー(Chuck Berry)の「Back in the U.S.A.」と
ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の「California Girls」の
完全なパロディであり
さらに言えば徹頭徹尾パロディに過ぎず
しかしながら
音楽的なノリはこれら先行者たちを超えている
というところだ
https://www.youtube.com/watch?v=XVukAcLqHFI
https://www.youtube.com/watch?v=23y2Cz40zs4
https://www.youtube.com/watch?v=DR2lvcdKSdU
今となっては
そう思い出されることも少なくなった
チャック・ベリーの「Back in the U.S.A.」の歌詞の
ノーテンキなトランプ流のノリは
このあたりで
ちゃんと思い出し直しておくのもいいだろう
Oh well oh well
I feel so good today
We just touched ground on
an international runway
Jet-propelled back home
from overseas to the USA
ああ もう
今日はとってもいい気分だ
ぼくらいまちょうど国際線の滑走路に
着陸したところ
プロペラ式ジェット機で海を越えて
アメリカに帰ってきた
New York, Los Angeles
Oh how I yearn for you
Detroit, Chicago,
Chattanooga, Baton Rouge
God I long to be
at my home back in old St Lou
ニューヨーク ロサンジェルス
ああ とても恋しかったよ
デトロイト シカゴ
チャタヌーガ も バトン・ルージュも
どれだけ待ち望んでいたことか
おなじみセント・ルイスの
自分の家に戻ってこられることも
Did I miss the skyscrapers
Did I miss the long freeway
摩天楼が恋しかったよ
長く続く高速道路も恋しかったよ
From the coast of California
To the shores of the Delaware Bay
カリフォルニアの海岸から
デラウェア湾の岸辺まで
You can bet your life I did
Till I got back to the USA
わかるだろう 恋しかったよ
U.S.Aに戻ってこられるまでは
Looking hard for a drive-in
Searching for a corner cafe
Where hamburgers sizzle on
an open grill night and day
Yeah, and the jukebox jumping
with records back in the USA
ドライヴ・インを探すのに苦労したよ
コーナー・カフェを探し回ったよ
ハンバーガーがジュージューと
朝も夜もグリルで焼かれ
アメリカのレコードがジュークボックスで
ジャンジャンかけられてる店も
I'm so glad
I'm living in the USA
Yes I'm so glad
I'm living in the USA
Anything you want
we got it right here in the USA
とってもうれしいよ
アメリカで暮らしてるってことが
そうさ とてもうれしい
ぼくはアメリカで暮らしてる
望めばなんでも
手に入る ここ アメリカでは
Ah we're so glad
we're living in the USA
Yes we're so glad
we're living in the USA
Anything you want
we got it right here in the USA
ああ ぼくらとってもうれしい
アメリカに暮らしてるってことが
そうさ とってもうれしい
ぼくらはアメリカで暮らしてる
望めばなんでも
手に入る ここ アメリカでは
フランスばかりか
ヨーロッパ全土で騒ぎ出した極左ガールたちが
歌う歌を
このチャック・ベリーの「Back in the U.S.A.」に変えるのは
いつだろう?