2026年10月16日金曜日

現世の生命、ほんの遊びごと


 

 

生き方の秘訣は

つねに

たくさんの人間が同じように動いていく流れの

裏を搔くことにある

 

わざわざ人の流れを止めようとしたり

変えようとしたりする必要はないが

流れに時には沿いながら

しかし十分離れながら

流れからエネルギーだけを取り込み

流れには取り込まれず

流れの粒子となっている人々の無能や過ちを

精妙に見抜くことだ

 

大声で叫び

呼びかけ

粗雑な単語を連呼する者たちは

ただ

利用すること

 

ちょっと注目を浴びさせ

儲けさせ

舞台で踊らせて

しばらくしたら

奈落に落す

 

いや

わざわざ落すのではないが

勝手に落ちていく時に

手は差し伸べない

 

そうして

呼びかけに応じて

群れてはしゃいでみたり

デモ行進をしたり

旗を振ったり

投石してみたりする者たちには

そうねえ

mRNAワクチンの

さらに毒性の強いのを

うまくだまして

打つといいよ

どんな病気にもならないんだってさ

アタマもよくなるってさ

市民の義務だってさ

などと勧めて

何十回も打たせて

フェイドアウトしていってもらう

 

ま

これって

DSのやり口だったんだけどね

 

やはり

間引きすべき者たちが

多すぎるんだ

 

黙って

静かに座って

目を一日中つぶっているとか

静かに

一歩一歩

大事に

水辺を歩いてみるとか

 

どうして

そういうことが

できないんだろう?

 

そんな態度を選ぶだけで

すべては

解決するというのに

 

近ごろはやりの

みんな大好きの『コーラン』にも

こう書いてあるぞよ

 

現世の生命、ほんの遊びごと。

ただ束の間のたわむれにすぎぬ。

終(つい)の住処のほうが

神を懼れる人々にとっては

どれほど有難いことか。

これ、汝ら、

これくらいのことがわからないのか。

 

家畜(メッカ啓示)32

 

 

 


2026年10月15日木曜日

東京は永遠の晴れです


 

 

故郷は長崎

秋

墓参りに行ってきます……

 

と

しばらく休んでいた人が帰ってきて

手渡してくれた

お土産のお菓子〈長崎物語〉を

人もまばらな列車の中で

ちょっと

食べる

 

お茶でもあればいいが

ないので

水だけ

時々飲みながら

 

クリームの多い

ちょっとバームクーヘンに似た味わいの

筒状のお菓子を

夕暮れ

せつない雲のたなびく空の

暗くなっていく

さまを

見ながら

 

さがし さがしもとめて

ひとり ひとりさまよえば

 

という

「長崎は今日も雨だった」*という歌の

歌詞が

(なんと紋切り型に! なんと通俗に!)

ふと

蘇ってくる

 

行けど せつない

石だたみ

 

あゝゝゝ

長崎は今日も雨だった

 

と

続いていく

有名な歌詞を記憶は追っていきながら

 

ほんとうは

なにを

さがしもとめて

ひとり

さまよっているのか

ひとは

ひとびとは

 

と

記憶のはずれを

思いは

ちょっと

走る

 

きょう

東京は晴れですよ

 

東京は晴れです

 

さがし さがしもとめて

ひとり ひとりさまよえば

 

行けど せつない

石だたみ

 

あゝゝゝ

長崎は今日も雨だった

 

雨が

降ったとしても

晴れ

 

東京は永遠の晴れです

 

 

 

 

内山田 洋とクール・ファイブ「長崎は今日も雨だった」OFFICIAL Lyric Video

https://www.youtube.com/watch?v=EKQfa2MpvOc

 


ナントに戻ってくることがあれば


 

 

ナントに行った時は

ジュール・ヴェルヌの故郷だということで

子どもの頃に読んだ彼の本のいくつかを思い出しながら

ぼんやりした頭で街のなかを散歩した

 

そんなふうに散歩すると

フランスの他の街の散歩とあまり変わらない印象が残るだけで

ナントのナントたる雰囲気をしっかり味わった

とは

とうてい言えない

 

フランスのあちこちを放浪してみて

他の街とはずいぶん違う雰囲気だなと感じたのは

夜にまわりを廻ると悪魔の居城のように感じる大教会のあるアミアンとか

フォワ伯とかマルグリット・ダングレームとかジャンヌ・ダルブレとか

ポー城で生まれたアンリ4世とかの時代をいまだに残しているポーだとか

ずいぶん景観のいいところが多いクレルモン=フェランとかだが

ナントとなるとそれほど記憶に残るものは少なかった

 

とはいえ二日ほどはあちこち歩きまわったのだから

体の中に染み込んでいるナント感とでもいうものはあって

2026年秋の高校生デモでナントもけっこう騒がしくなり

大学でもだいぶ破壊や落書きがあったと聞くと

いろいろ思い出し直してみたりもする

 

Voici les images des manifestants à Nantes

https://www.youtube.com/watch?v=4QDINuh50I8

 

LYCEES : 17 000 MANIFESTANTS À NANTES

https://www.youtube.com/watch?v=8biZxEEsA_k

 

"C’est écœurant" : D’importantes dégradations découvertes dans l’Université de Nantes

https://www.youtube.com/watch?v=rFOFjLkBGRw

 

FAC DE NANTES : LES DÉGÂTS EN IMAGES

https://www.youtube.com/watch?v=2R-iUmD8I84

 

Université de Nantes occupée pendant plusieurs jours: la présidente de l'université s'exprime

https://www.youtube.com/watch?v=Zsp6x7QrzkA

 

 

とはいえ

とはいえ

とはいえ

なんといってもナントと言えば

ナントいってもナントと言えば

あの古い歌「Dans les prisons de Nantes」である

ナントの牢獄での囚人と牢番の娘のお話の古謡だが

Olivier Caillardによる子ども向きの演奏がいちばん私には楽しい

この歌の原型は17世頃のフランスのロワール地方で作られたともいうし

フロンドの乱に連座したレッツ枢機卿が

1654年ナントの監獄から脱獄した事件に着想を得たものとも言われるが

本当のところはどうかわからないし

そうしたことはどうでもいいようにも思う

 

いろいろな歌詞があるらしく

エディット・ピアフが歌ったものなどを聞くと

Olivier Caillardの版とはだいぶ違うが

とりあえず彼が録音したものの歌詞はこんなふうになっている

 

Dans les prisons de Nantes · Olivier Caillard *

https://www.youtube.com/watch?v=EGqAqfm0UwE

 

 

 

DANS LES PRISONS DE NANTES    

 


Dans les prisons de Nantes
                             

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

 Dans les prisons de Nantes                                

y'avait un prisonnier                              

y'avait un prisonnier                              


Personne ne le vint voir     
                    

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'
Personne ne le vint voir                        

que la fille du geôlier                                

que la fille du geôlier                               

 

Un jour il lui demande                               

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'  

di lan' di-gui di-gui dan'
Un jour il lui demande
                              

et que dit-on de moé                            

et que dit-on de moé                           

 

On dit de vous en ville                              

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

On dit de vous en ville                               

que vous serez pendu                             

que vous serez pendu                             

 

Mais s'il faut qu'on me pende                      

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

Mais s'il faut qu'on me pende                     

déliez-moi les pieds                             

déliez-moi les pieds                             

 

La fille était jeunette                             

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

La fille était jeunette                             

les pieds lui a déliés                                 

les pieds lui a déliés                                  

 

Le prisonnier alerte                                      
lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

Le prisonnier alerte                                      

dans la Loire s'est jeté                            

dans la Loire s'est jeté                            

 

Dès qu'il fut sur les rives                          

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

Dès qu'il fut sur les rives                          

il se prit à chanter                                   

il se prit à chanter                                    

 

Je chante pour les belles                           

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

Je chante pour les belles                           

surtout celle du geôlier                            

surtout celle du geôlier                            

 

Si je reviens à Nantes                          

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

Si je reviens à Nantes                          

oui je l'épouserai                              

oui je l'épouserai                              

 

 

 

ほんのちょっと音をあわせて

訳してみると

こんなふうにしておいたらいいだろうか?

 

 

 

ナントの牢獄に

 

 

ナントの牢獄に

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

ナントの牢獄に
囚人がひとりおりました

囚人がひとりおりました


誰も会いには来ませんでした

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'
誰も会いには来ませんでした

牢番の娘以外には

牢番の娘以外には

 

男がある日尋ねます

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

男がある日尋ねます

どう言われてる? 俺のこと?
どう言われてる? 俺のこと?

町で言われる話では

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

町で言われる話では

あなたは首を吊られると

あなたは首を吊られると

 

おやおや 首を絞めるなら
lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

おやおや 首を絞めるなら

足のほうの縄は解いとくれ
足のほうの縄は解いとくれ

娘は若くてうぶだったから
lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

娘は若くてうぶだったから

男の足は解かれた
男の足は解かれた

急いで囚人
lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

急いで囚人

ロワール川に飛び込んだ
ロワール川に飛び込んだ

 

そうして岸まで着くとすぐ
lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

そうして岸まで着くとすぐ

歌い始めたこの男
歌い始めたこの男

俺は歌おう 美女たちのため

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

俺は歌おう 美女たちのため

とりわけ牢番のあの娘に
とりわけ牢番のあの娘に

ナントに戻ってくることあれば

lan'di-gui di-gui dan' lan' di lan'

di lan' di-gui di-gui dan'

ナントに戻ってくることあれば

そうさな あの子と結婚しよう

そうさな あの子と結婚しよう

 

 

 

歌は独特の活力に満ち

元気で

リズムに乗って歌ったりすれば楽しくもなるが

この歌を領しているのは

壮絶なせつなさや

無情さや

無常さや

非情さ

のようなものだと感じる

 

じぶんの首を絞めて殺すというなら

せめては

足のほうの縄は解いておいてもらいたいなあ

と囚人は

牢番のうぶな娘に頼むのだが

このヘンな論理を受け入れて

娘が囚人の足の縄を解くと

囚人はこれ幸いとばかり

一目散に逃走し

ロワール川に飛び込んで

泳いで行ってしまう

 

絞首刑が決まっているらしい彼としては

もちろん逃げなければならないが

逃げおおせるためには

じぶんの足の縄を解いてくれたうぶな娘から

離れなければならないし

いったん離れたら二度とこの牢獄に戻るわけにはいかない

戻ればまた絞首刑にされかねないのだ

 

だから当然のこととして彼は逃げるのだが

逃げおおせた後で

じぶんを助けてくれた娘のことを痛切に思い

彼女のために歌い

ナントに戻ってくることがあれば

あの子と結婚しよう

とも歌う

 

もちろん

ナントに戻ってくることはないだろうし

もし戻ってくればまた捕まって殺されかねないから

それはできない

 

だから

彼ができることといったら

ナントから離れて

娘のために歌うことぐらいしかない

 

そう考えてくると

この古い歌を作ったのは

ひょっとしたらこの囚人自身だったのではないか

そうしてナントから離れて

歌ってまわったのではないか

とも思えてくる

 

牢番の娘のほうとしても

はたしてその後

いい人にめぐり会って

しあわせな結婚をできたりしただろうか?

牢番の娘として

いつも牢獄近くに暮らしているとなれば

なかなかいい出会いもなかろうから

逃げていった囚人ひとりだけが

ひょっとしたら

運命の人ではなかったか?

 

そう考えると

しばらく元気に歌いはやされる

とはいえ

せつなさ極まる

古い

古い歌

と

思える

 

こんな

せつなさの糸で

縦横に編み込まれているのが

人生

というもの

では

ないか

 

 

 

 

*Provided to YouTube by PIAS

Dans les prisons de Nantes

Olivier Caillard « Il court il court le furet - Enfance et Musique » ℗ DCVS

Enfance et Musique Released on: 2014-05-20

Featured Artist: Chris Hayward

Featured Artist: Olivier Sens

Featured Artist: Claudio De Queiroz

Producer: Marc Caillard

Composer: Olivier Caillard

Auto-generated by YouTube.




2026年10月14日水曜日

ほろびの味

 

 

 

秋のジュースを

直接

青空から

お飲み

 

そうして

 

しあわせでいよう

たったひとりで

 

死んでいく

あこがれたちを

死んでいく

ままに

して

 

あ

 

人体のかたち

借りたまま

だった

 

もしかして

見えちゃってるかな

人に

 

たいしたことじゃ

ない

 

借りたままの

人体から

よく見える

人

人

人の

ほろび

 

抹茶の味に

似た

ほろびの

味