トランプとゼレンスキーの会談は
慣例と異なって
いくらか激した口調が聞かれて面白かったが
40分以上の動画を見てみると
大げさに報じて儲けようとするマスコミが伝えたり
さらに大げさに喧伝するX界やYouTube界が騒ぐほど
口論でもなければ激論でもなく
物わかれというほどでもなかった
もともとプロレスに関わってきたトランプが
助六のセリフなみに
プロレスのマイクパフォーマンスふうの連ねを行うのは常のことだ
それを受けて
ペニスでピアノを弾く下ネタ芸を十八番にしていた芸人ゼレンスキ
なにかとバズるような芸で返すのも当然なので
なにが起ころうと驚くほどのこともなく
なぁんだ、ソファーをぶん投げあうぐらいのことはやれよ!
などと思って見ていたが
そこまではいかず
冬の湿った線香花火程度のパチパチで終わった
このふたりと
そこに副大統領ヴァンスと国務長官ルビオが加わっての
ふだんよりちょっとお社交を越えた
「朝まで生テレビ」
そもそもプロレスに過ぎなかったことは
ゼレンスキーがその後に会ったイギリスのスターマー首相が
すぐに
ロシアとウクライナの停戦案を
イギリスとフランスとウクライナの3国でまとめて
アメリカに提示する方針を出したのでもわかる
もともと式次第がいろいろとできていて
トランプとゼレンスキーとの間では
ちょっと場外乱闘的な波乱を演出しておこうというだけのことで
世界中にテレビやSNSで放映されるような映像に
いまさらこれっぽっちの真実があるなどと思い込むほうが
情弱というか馬鹿というか
あるいはありがたいカスタマーさまとでも言うべきか
である
それにしても
あんな程度で口論だの激論だのと評するナヨナヨ連中って
いったい何なのか?と思う
わたしが十五年間を費やした超戦闘的な労働組合では
団体交渉のたびに「バカ」
大がかりな怒鳴り合いが続いた
メンバーの中での役割分担があって
誰かが頭ごなしに相手方を怒鳴りつけて感情を荒立たせたり
他の誰かは穏やかな口調で取りなすように割って入り
相手方を籠絡していったり
またさらに他のメンバーは論理性重視で
つねにバランスを取りつつ正面から攻め続けたりする
3時間から5時間は言い合いが続くのが当たり前で
それが15年ほども続いていくと
なんだか社会的ないっぱしの闘士になったような気になるのだが
もちろんそんなのも幻想で
結局は本当に相手を殺したり脅したりできないと
社会では勝てない
わたしの大嫌いなゼレンスキーが
珍しく公然といたぶられたのは楽しい見物だったが
正面からゼレンスキー潰し役を買って出てくれたヴァンスが
ゼレンスキーの語ったフェイク情報をしっかり潰さなかったのは残
ヴァンスやトランプが用いた理屈も切れ味弱く
しかも偏向していて残念だった
というよりあの場でトランプがゼレンスキーを射殺してもよかった
そうしたとしても
今のウクライナやヨーロッパは
アメリカに対してなんの抵抗もできない体たらくなので
やっちまえばよかったのに
と思いながら
いつも悪党を生きのびさせて奇妙な演出効果を狙う
鶴屋南北先生のやり口を思い出すように
次の劇の展開を待たされる運びとは相成り候
まあ
ナポレオンならあそこでゼレンスキーを殺したね
そうしなかったのは
トランプが軍人のセンスを持っていなかったからだろうが
今後の世界展開は
かならずナポレオンを呼び込むだろう
既得権益者だけが永遠に儲かり続けるような継続的な平和なるもの
断じて来てはならないのだし
来るわけもない
平和と正義はつねに
既得権益者たちの騙し文句に過ぎない
全世界が
ウクライナとガザになるよう
希求しようではないか!
おお
イエスさま!
地上に平和をもたらすために私が来た、 と思ってはならない。
平和ではなく、剣を投げ込みに来たのだ。
人をその父に、娘を母に、嫁をしゅうとめに敵対させるために、
私は来た。
自分の家族の者たちが敵となるのだ。
私よりも父や母を愛する者は私にふさわしくない。
私よりも息子や娘を愛する者も私にふさわしくない。
自分の十字架を担って私に従わない者は私にふさわしくない。
自分の命を得ようとする者はそれを失い
私のために命を失う者はそれを得るのである。
「マタイによる福音書」 10:34-39
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