2025年3月5日水曜日

米の相場が何んぼするか知って居るか

 

 

 

長州藩家老として

幕末の長州藩改革に努めた村田清風は

吉田松陰の師でもあったが

江戸に出た際には

塙保己一や海保青陵に学び

経世論から

兵法や

海防策まで身につけたという

 

長州から江戸に出る時に

もちろん富士山を見たのだろう

こんな歌を残している

 

来て見ればさほどでもなし富士の山

釈迦や孔子もかくやありなん

 

これは

孔子の弟子の顔淵が

「舜何人ぞや、予何人ぞや」

と発したのに通じる

 

中国の五帝のひとりの舜も

じぶんも

同じ人間ではないか

というもので

強い志さえあれば

じぶんも舜のようになれる

として

自らを発憤させた言葉となっている

 

村田清風は

先見の明があった人で

黒船も来ないうちから

軍備を整えようとしたという

藩政改革を済まし

隠居しても

なおも文武の稽古に勤しんだ

 

久坂玄瑞の友の赤川淡水が

訪ねてきた時

赤川が地理を研究したいというので

「磁石を持っているか」

と村田は聞いた

持っていないと赤川が言うので

「馬鹿な奴だ」

と村田は叱った

「地理を研究するのに

磁石を持って歩かぬような人間に

地理の研究が出来るか。

攘夷攘夷と云うが

米の相場が何んぼするか知って居るか

そんなことで

攘夷も何も出来るものか」

 

村田清風なら

釈迦や孔子に対しても

「米の相場が何んぼするか知って居るか」

と叱ったかもしれない

 





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