2026年4月5日日曜日

雨の桜

 

 

 

よろづにいみじくとも

色好まらざらむ男は

いとさうざうしく

玉の盃の底なき心ちぞすべき

吉田兼好 『徒然草』第三段

 

 

 

 

せっかく咲いたのに

次の日に雨に降られでもすると

たしかに桜の花は

水に濡れた猫や子犬のように

ちょっと

みすぼらしくなってしまう

 

それでも

近くの花房を見つめ直してみると

濡れた花びらも

思いのほか美しく

なにか別の

透明の衣をさらに羽織ったようで

この美しさには

ながいこと

気づかないできてしまった

反省する

 

雨の桜

風情をわきまえない

とは

なんと

無粋なことであったか

気づく





0 件のコメント: