よろづにいみじくとも
色好まらざらむ男は
いとさうざうしく
玉の盃の底なき心ちぞすべき
吉田兼好 『徒然草』第三段
せっかく咲いたのに
次の日に雨に降られでもすると
たしかに桜の花は
水に濡れた猫や子犬のように
ちょっと
みすぼらしくなってしまう
それでも
近くの花房を見つめ直してみると
濡れた花びらも
思いのほか美しく
なにか別の
透明の衣をさらに羽織ったようで
この美しさには
ながいこと
気づかないできてしまった
と
反省する
雨の桜
の
風情をわきまえない
とは
なんと
無粋なことであったか
と
気づく
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