2026年4月7日火曜日

タロットカードの愚者=Foolを思い出すこと

 


 

アメリカとイスラエルがイランに仕掛けた戦争で

ニュース業界は賑わっている

戦争や革命や殺戮を研究課題のひとつとしているぼくには

面白くてたまらない

 

戦争を面白いなどというと

ナンチャッテ平和主義のニャッポンではいまでも顰蹙を買いそうだが

戦争はあまりにいろいろなものを露呈させ

ありありと見せつけてくれるので

やっぱり面白い

面白いと言って悪ければ勉強になる

「勉強させていただいております」

とアメリカにもイスラエルにもイランにも伝えたい

 

どんなものが露呈されたか

といえば

なんといっても

民主主義の代表国を気取っているアメリカが

どこの国よりも民主主義ではないとバレてしまった点だ

 

最初からアメリカは

金をわんさと集めた者だけが政治権力を取る国で

いわゆるふつうの民にはわんさと金は集まらないのだから

もともと民主主義とは無縁な国である

 

今回もトランプという金満家が

まわりにIT金満家たちを集めて超絶金満大国を気取っている

学や良識や良心や人類の未来への夢や希望を持つ民が

この金満家政府をどんなに批判しようとも

もともと民主主義国家でないアメリカではどうにもならない

 

政治権力の命令の流れぐあいにおいても

アメリカが民主主義国家でないことはちょっと考えればわかる

アメリカ+イスラエルは(たぶんまとめてアメラエルとしたほうがいい)

イランの首脳人をまとめてごっそり殺してしまったようで

現在のイランはついこのあいだまでのトップを失っているのだが

それでも方針は揺るがずに抵抗を続けている

これと同じことをもしアメリカに対して行い

トランプ政権のトップをごっそり排除してしまったとしたら

イランと違ってアメリカの場合は体制崩壊となってしまうだろう

ひとつの国がもし本当に民の国だとしたら

トップがごっそり排除されても体制がかわるわけがないし

方針もさほどかわらずに国体は護持されていく

現在のところを観察してみると

イランのほうがよほど民の国であり民主主義国家っぽく見える

アメリカのほうはたまたま成り上がった金満家政府によって

国全体がねじまげられて支配されてしまっているように見える

このあいだまであったアタマを失ったはずのイランが

ほとんど変わらない抵抗のしかたを続けていられるのを見ると

ジル・ドゥルーズ+ガタリのリゾーム論の政治的体現を見るようで

樹形図型支配体制へのあのポストモダン時代の抵抗思想の現実化が

今になってようやく地上に発現したかのように見えてくる

 

ほんのちょっと眺めるだけでもこんなことが見えてきて

これだけでも十分面白くて目が離せなくなるが

発言がころころ変わる無責任な道化師のようなトランプが

昨今さらに円熟味を増してきていて

この人物のキャラクター設定や変更や増幅などが面白くてたまらない

いま道化師などとうっかり言ってみたが

道化師というよりもタロットカードの大アルカナの一枚

愚者=Foolを思い出したほうがいいだろう

ヘブライ文字ではアレフ(א)であるが

エリファス・レヴィなどは『高等魔術の教理と祭儀』で

ヘブライ文字シン()を当てている

愚者のカードの基本の意味は

正位置ならば

自由、無邪気、純粋、天真爛漫、可能性、

発想力、天才、型にはまらないこと

などを表わし

逆位置ならば

わがまま、軽率、ネガティヴ、焦り、イライラ、

注意不足、多動性、落ちこぼれ

などを表わすので

まさにドナルド・トランプそのものといえる

歩いて移動していく愚者の姿は

目的を持ってどこかへ向かっている旅人とも捉えられるし

無目的かつ無計画に放浪していく風来坊とも捉えられるが

黄金の冠を被っていたり持っていたりすることや

荷物を担ぐ棒を持っていることなどは忘れてはいけない

トランプが金髪で表現している黄金の冠は

王の象徴であるとともに権力の象徴であり

神と交信できる霊力のある者であることを表わしている

担いでいる棒はよく男根の象徴と見られ

繁殖と豊饒を呼び込むものであるとされるが

これらの持ち物を配することで愚者は

文化人類学におけるトリックスター概念と関わりあうことになる

山口昌男が生きていてトランプを見たら

昔なつかしいトリックスター談義にあちこち呼ばれて

きっと忙しい日々を過ごすことになっただろう

 

タロットカードやちょっとした黒魔術系の知識や

懐かしの文化人類学のあれこれのタームを思い出すだけでも

ドナルド・トランプがあえて意図的に

あまりといえばあまりに典型的に愚者を演じているのは

誰にも容易にわかるはずなのだが

世界や人界を見るためのそうした基礎知識や基本姿勢が

昨今のマスコミにもコメンテーター諸氏にも

あまりに欠け過ぎてしまっているところに

現代の本当の不幸はあるのかもしれない

 



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