死の二日前に
マサヒコは
めったに見ないような夢を見た
そのことを
妻レイコに語った
見たこともないようなきれいな場所で
美しい花が
遠くまで
咲き広がっていた
(「美しい」という語彙は
マサヒコの日常会話にはない
せいぜい「きれい」が使用されるまでで
「美しい」という日本語を使うことは
恥ずかしくてできなかった
はずだ)
めったに見ない
というより
「こんな夢は見たことがない」
と
妻に語った
霊能者の笹原留似子が
手術中に死にかけた際に見た
いわゆる
三途の川周辺の光景を
語っている
https://www.youtube.com/watch?v=SvWu6V37_kc
それはそれは美しい光景
だと
笹原留似子は言う
「そっちに魅了されて
夢中です」
「お花畑がひろがっていて
蝶とか鳥が飛んでいて
川のせせらぎが…
こんな細い川が流れていて…
またげます
またぎかけました」
三途の川
というものが
大きな川なのではなく
ひとまたぎできるほどの
細い小川であるのが
笹原留似子の体験談では
おもしろい
またいで
川の向こう側に
足をついてしまえば
戻っては
来れないらしい
見たこともないような
美しい風景に魅了されて
川をまたいで
足を向こう側に着地させて
マサヒコは
戻ってこなかったのだろう
「お花畑がひろがっていて
蝶とか鳥が飛んでいて
川のせせらぎが…
こんな細い川が流れていて…」
戻ってこないのが
当たり前だろう
美しい風景に魅了されて
そちらへと向かうこと
こそ
なすべきこと
で
あるのから
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