2026年7月16日木曜日

それこそが


 

 

詩のかたちを借りて

書けるかな?

ちょっとは近づけるかな?

詩のほうへ?

 

そう思って

レンタカーならぬ

レンタシー

レンタ詩―

いっぱいしてみたので

まるで

シジンかなにかのように

ぼくを見る人も

いるかもしれない

けれど

 

ぼくは詩人たちに

がっかり

した

 

みな

なにかになろうとして

詩人に

なろうとして

その時代時代で

その時点時点で

詩っぽい

ものを

書いているだけだった

 

そうして

集まっては

褒めあって

仲間っぽくして

たいてい

そう高くない喫茶店や

そう高くならないように飲むバーで

夜が更けはじめるまで

相手を否定しかねないような詩論なんかしないで

どうでもいい雑談をして

いかにもニホンシャカイって感じで

なごやかに

ふわふわして

時間をとろかしていった

 

ぼくはそういう

詩人たちに

がっかり

した

 

ぼく

 

喫茶店や

バーや

安酒屋でのざわめきも

きらめきも

もうもうの煙草も

みんな

すっかり消え去って

それらの主だった詩人たちも

いまでは

たぶん

墓の中や

老人介護施設や

水を飲むのにも震える腕で

安アパートの

ささくれ立った古畳の上で

ひとり

 

シャルル・トレネのシャンソンの

「詩人の魂(L'âme des poètes)」は

 

Longtemps, longtemps, longtemps

Après que les poètes ont disparu

Leurs chansons courent encore

dans les rues

 

ずうっと ずうっと ずうっと

詩人たちが消え去ってしまったあと

かれらの歌はまだ流れ続けている

道々に

 

と歌うけれど

ぼくが会った詩人たち

ぼくががっかりした詩人たちは

 

消え去って

ながいことになります

ながいことになります

なが~いことになります

 

という

感じ

 

時間が経つ

とは

こういうことなのだ

 

過ぎ去る

というのは

ああ

こういうことなのだ

 

ほんとにぼくは

どれほど

痛切に

学んできたことだろう

 

若かった人が

中年になり

老い

すぐに死なないまでも

フェードアウトしていってしまう

消えていってしまう

 

ほんとにぼくは

どれほど

たくさんたくさん

感じとってきただろう

感じないふりをしてきただろう

 

まるで

永遠というものがあると

まるで

不易というものがあると

思い込もうとするかのようなふりを

してきたことだろう

 

それこそが

まさに

そのものだったと

けっこう

はやくに気づいていたのに

まだ

気づかないかのようなふりを

しようと

してきたことだろう

 

永遠とか

不易とか

こそが

 

それこそが

 

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=cEMxhO8Obeo

 

https://www.youtube.com/watch?v=flI-OH-rOOM



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