夏マニア

 

 

住んでいる地区では

きょう

33度に達した

 

べつにたいしたことはない

 

暖かくって

いい気持ちである

 

だいたい

29度から33度程度は

ほぼ

体感に差はない

 

あさって頃には

35度ぐらいになりそうだから

夏らしさを味わえるだろう

うきうきする

 

夏マニア

というのが

たぶん

いる

 

気温が30度ぐらいになると

朝から夜まで

もう

うれしくてたまらなくなってしまうのである

ひょっとしたら

夏ホルモンというのがあって

それが恒常的に出るようになり

毎日がla vie en rose（ラ・ヴィ・アン・ローズ）になってしまう

バラ色の人生どころか

オレンジ色の人生とか

ゴールドの人生ぐらいには

うきうきしてしまう

 

こうして

ひとがせっかく

暑さをうれしがっているのに

暑くていやだ

とか

暑くてつらい

とか

暑くて疲れる

とか

口を開けばそんなことしか言わない

年増女系がいる

肉体年齢はともかく

こころの年齢が中年を越えると人間はひたすら醜いだけのものです

いやですね

うわあ！　今日も暑くていいネ！

と思わず言葉が出るかどうかで

人間のこころの歳は如実に出るし

活力の差も出る

活力の落ちた人間の側にいるとロクなことはないよ

皺の寄った陰湿なじめついた行動様式に引っ張り込まれて

こちらの花火は湿らされていくし

こちらのエネルギーも吸われていくしで

若いのに年寄りじみた男の子にされていったりしてしまう

 

暑くていやだ

とか

暑くてつらい

とか

暑くて疲れる

とか

ひとりでぶつくさ言っているうちは

まだ

いいとしても

すぐに

暑くていやねえ

とか

暑くてつらいわねえ

とか

暑くて疲れるわねえ

とか

こちらにおっかぶせてくる年増女系がいる

世論誘導と洗脳の初歩的手段だが

これをお得意の術として

まわりに投網し続けるタイプの悪女といったら

日本社会では

無数無限に巷に蔓延っていて

これが社会をじめつかせ続けている

 

こんな年増女系の悪女たちから

サッと離れて

人混みで溢れかえる都心の繁華街に颯爽と歩きに出たり

海や山にどっさりといい汗をさらに掻きに行ったり

テラテラに陽を浴びて庭やベランダにからだを伸ばしたりしよう

 

これだけで

世の中は変わり出す