2026年8月19日水曜日

どんな死よりも軽やかな“失われ”のさまを


 


どこへと

帰っていかねばならないか? あなたは

石の目をして

もう どんな風景も

むしろ あなたの目となって

あなたを

また あなたの見えないものを

かわりに見るほかない

この地方で

 

胴に去られて 

それでも 動いていこうとする足腰が

四季の微風のなかを おゝ、

楽しんでいくようではないか! とっぷり暮れてからの

しばらくの宵の静寂を

あんなにも 喜ぶように 少し 揺らぎながら

 

夜に入っていく時の

緑を失っていく草や木々の葉の

どんな死よりも軽やかな“失われ”のさまを

誰より感じとっているのは

彼である彼女であるわれらであるあなた? まるで

近いことこそが遠かったと理解した 磨かれていない宝石の原石の

ずいぶん小さなかけらが ふいに

大宇宙すべての光を たったひとり 受けとめたように

微動だにせず 熱も帯びず

まだ誰にも発見されていない超新星として

つかのま

自己認識を始めたように

 



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