いい雨が降っている
こころはやわらぎ
たとえば
恋の近づきを
やわらかく
すなおに受けとめうる
水辺の土のように
はじまりの頃へ
戻っていく
かのよう
止まず
やみがたく
ひと思ふなり
という
藤井常世の歌などが
雨の季節には
しめやかに
いつのまにか
戻って
きている
いちにちを降りゐし雨の夜に入りても止まずやみがたく人思ふなり
恋するひとたちを
潤わせて
降りやまない雨
夜になってもやまない雨に
世界はしずかに
また
変貌していく
あるいは
また
そんな雨のやんだ後
大樹の下での
夜の
逢瀬の際
つめたい針のように
落ちてきて
感官を驚かせる
しずく
一滴
あるいは二滴
数滴
身を刺すは若葉のしづく木兎のこゑいま抱かれなばにほひたつべし
「にほひたつ」のは
いちども表に出てきたことのない
我という仮面の底の
未知の
不可知の
しかし懐かしくもある
それ
かもしれない
思い出す必要もなく
繋げる必要も
まったく
ないが
響いてきてしまう
ランボー
の
『永遠』
見つかった。
なにが? ―永遠が。
Elle
est retrouvée.
Quoi ? – L’Eternité.
Arthur Rimbaud L’Eternité
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