2026年6月8日月曜日

世の中や人生のなかに来るのとは違う明日へ


 

 

関東地方も

梅雨に

入ったそうな

 

梅雨と呼ぶのも

悪くないが

雨季とか

雨期と呼んでみたくもある

 

雨期

という言葉の好きだった女詩人と

むかし

親しかったこともある

 

傘さして

雨のなかを

ああ

なんとたくさんの女たちと

そぞろ歩いたことか

 

荷物が多くなければ

雨中の散策も

わるくないもの

あまりに雨が吹きつければ

それはそれ

面倒だが

梅雨の頃の雨は

吹きつけるような雨でもないし

 

大きな公園の

亭の下へ雨やどりすれば

どの女とも

たちまち別世界が立つようで

若さと

人生のさかりとは

そのまま

夢の蔓を繁茂させていく草に

似ていた

 

大樹の下で

雨のあたらないベンチでも見つかれば

ちょっと座って

むかしなら誰でも持っていた

両切りの

強い煙草に火を付けて

ゆっくりと一本

吸ったりしたものだった

 

吸っているあいだの

遠く

近くの

雨の音を

聖なる音のように

聴きながら

世の中や

人生のなかに来るのとは違う

明日を

思い見ようとしたりした

 

そうして

一本を

吸い終わると

立ち上がり

歩き出したものだ

 

世の中や

人生のなかに来るのとは違う

明日へ

 

 

 

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