今年は8月19日が
旧暦の7月7日にあたり
本来の七夕だった
一年に
一度
この日だけ
織姫と彦星が会うことを許される
古代の中国の伝説や
「乞巧奠(きっこうでん、きこうでん)」という行事に
日本の昔の風習が結びついて
七夕伝説は
生まれたらしい
古代中国では
わし座の一等星アルタイルを牽牛星(けんぎゅうせい)
こと座の一等星ベガを織女星(しょくじょせい)と呼んだ
日本では
牽牛星は彦星
織女星は織姫星
と呼ばれていた
彦星と織姫は
幸福な結婚をしたものの
互いに夢中になり過ぎ
仕事を怠けるようになってしまう
天帝が怒って
二人を引き離したが
嘆く二人を憐れんで
年に一度
7月7日にだけ
天の川を渡って会うことを許した
という
日本の新暦では
7月7日は梅雨の頃で
なかなか
夜空は晴れない
子どもたちも若い男女も
七夕の飾りをして
この日の夜空が晴れることを願うが
毎年
晴れることはほとんどなく
また今年も
彦星と織姫は会えなかった
とがっかりする
旧暦というものが
かなり正確に季節の推移を表わしているので
わたしはひそかに旧暦主義者なのだが
旧暦にふさわしい行事としては
七夕こそ至上だろう
すでに秋となった8月19日前後は
晴れる夜が多い
なるべく
彦星と織姫を会わせてやろうと
ちゃんと暦を戻す程度の粋な配慮が
文化というものにはほしい
*
ところで
旧暦の七夕の翌日の
8月20日は
名映画監督の成瀬巳喜男(1905-69)の誕生日であり
ついでに
女優・司葉子の誕生日でもある
Xユーザーのnaveさんが
成瀬巳喜男の名作『流れる』についての
黒澤明の評を紹介している
黒澤明
「成瀬さんは、短いカットを積み重ねるが、それを継いだのを見ると、決してそうは見えないで、一つの長いカットのように見える。
見事に流れていて、継ぎ目が解らない。
そして、その一見、何気ない平凡な短いカットの流れは、深い河のように表面は静かに、底に急流、激流を秘めて流れて行く。
その腕前の確かな事は、比類がない。」
―黒澤明『蝦蟇の油』('84岩波書店)P239~240
https://x.com/nave4000/status/2090208437002981650
『流れる』(1956)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=Fa4LHfdIVAQ
やはり
Xユーザーのnaveさんが
成瀬巳喜男の遺作『乱れ雲』(67)の
こんな終盤を引用している
今日8月20日は、映画監督・成瀬巳喜男(1905-69)と、
女優・司葉子(92歳)の誕生日。
司葉子が、夫を交通事故で亡くすがその加害者の青年(加山雄三)と恋に落ちてしまう女性を演じた、成瀬巳喜男監督の遺作『乱れ雲』(67)の終盤⇩
音楽:武満徹
https://x.com/nave4000/status/2090200887138689278
『乱れ雲』(1967)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=QY9bnTfiTRA
Xユーザーの「高峰秀子」さんによれば
成瀬巳喜男の日常は
このようであったという
毎朝九時キッカリにステージに姿を現す。スタッフはその三十分前にステージに入っているから第一カットがまわるのは九時十五分過ぎ。一日のノルマは大体二十カットほどで、夕方の五時前には「お疲れさま」になる。まるで名工のごとく、サラサラと流れるような仕事ぶりであった。
https://x.com/HidekoTakamine/status/2090197117562228985
同じXユーザーの「高峰秀子」さんが引用する
女優・高峰秀子の言葉には
このようなものがある
(成瀬巳喜男監督との仕事は俳優にとって)マイナスですね。何もおっしゃらないし、教えてもくれないし。だから役者もそこで止まっちゃって上手くなりません。ただ、仕事中はラクでしたよ。勝手に演っていればよかったから。私のような怠けものには最高の演出家でした。
amzn.to/3SWk8Vb
https://x.com/HidekoTakamine/status/2090287712154661185
『女の座』(1962)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=iSA2HgWHXhk
『女が階段を上る時』(1960)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=OPjDdS2w8CI
『乱れる』(1964)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=6OFgbXOsStc
『放浪記』(1962)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=qFZ61GrdnB8
成濑巳喜男《浮云》:小津安二郎说有两部电影自己拍不出,这是其中之一
https://www.youtube.com/watch?v=tTiTlovpbb0
https://www.youtube.com/watch?v=0Fg_HZY2wGM
『ひき逃げ』(1966)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=xy3m9TGBQhs
『女の歴史』(1963)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=uuE7hl2T0OY
Xユーザーのnaveさんによれば
成瀬と同じ8月20日が誕生日だった女優・司葉子は
成瀬巳喜男とのこんなエピソードを語っている
映画の世界では(成瀬)先生は神様のような方でしたから、(撮影のとき)最初は緊張の毎日でした。しかし、成瀬組には最高の技術を持ったスタッフがそろっていて、悲しい場面なら悲しく映るように、カメラから照明からすべて準備が出来ている。私たちが頑張って芝居しなくてもただそこに立っていればいい。一度、自分の演技が不満だったので「もう一回やらせて下さい」とお願いしたことがありました。先生は「ウフフ」と笑って「じゃあ、やろうか」とおっしゃる。そして撮った後に「で、どこが違うの」って。すべてお見通し。先生に任せておけばいいんだと思いました。
(『乱れ雲』(67)の十和田湖でのロケの終盤、プロデューサーの藤本真澄さんが東京から陣中見舞いでお肉を持って来て)そのお肉を食べて、今日はみんなで飲もうということになったんです。私は翌日の撮影に差し支えますから、とお断りしました。ところが成瀬先生が「葉ちゃん、今日は飲んでいいよ」とおっしゃるんです。「明日はラストシーンの大事な撮影があるのに」と不思議に思いながら、お肉につられて、私もお酒をいただきました。
翌日の撮影は、十和田湖の船着き場に立ち、独りで湖をじっと見つめる場面でした。天気待ちで化粧を直していたら、先生が来られて「葉ちゃん、今日はいいんだよ。後ろ姿だけだから」と笑っていらっしゃる。前の晩からちゃんと計算済みだったんですね。高峰秀子さんが愛情込めて「意地悪じいさん」と呼んでいらした意味がよく分かりました。
先生はこの後、体調を崩され、2年後に亡くなられました。「乱れ雲」が遺作になり、十和田湖での私の後ろ姿が先生のラストシーンになりました。入院中に「葉ちゃんの次の映画、何にしようか」とおっしゃられたこと、今でも忘れることが出来ません。
x.com/Silence_Strike…
https://x.com/nave4000/status/2090206309941641558
旧暦7月7日にあたる
現在の8月19日の本当の七夕のことに
ちょっと触れてみたくなって
ついでに
翌日の20日の成瀬巳喜男の誕生日のことを思い出しての
これといった必要もない
道草である
14分で見る「成瀬巳喜男監督」映画/「シネマプロムナード 」 クラシック映画チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=ognUGfDhAGM
『女の中にいる他人』(1966)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=KfML7_tvuGM
『鰯雲』(1958)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=jN9-NdyPdZo
『娘・妻・母』(1960)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=gDEZhP7vcGo
https://www.youtube.com/watch?v=ZBIGI1lP7NA
夜の流れ』(1960)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=EB-FeEGjUhg
『おかあさん』(1952)予告篇
https://www.youtube.com/watch?v=D41jeZFXWEQ
『あにいもうと』 1953年製作 成瀬巳喜男監督 出演者 京マチ子 久我美子 森
雅之
https://www.youtube.com/watch?v=7hSCEVOo3Fo
『銀座化粧』 成瀬巳喜男監督 田中絹代 花井蘭子 東野英治郎 香川京子 岡龍三 1951年
https://www.youtube.com/watch?v=DSgyCd3-TDo&t=2621s
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