付き添って
わたしの住まいからはずいぶん離れたところにある
病院へ行った
付き添うべき相手の住まいまで
まずJRで
1時間以上かけて行く
そこから
30分ほどタクシーに乗って
電車もメトロも行かない
バスもまばらな
不便な場所にある病院へ行く
大きな病院である
傷を縫った後の抜糸を行うだけで
たいしたことではないが
予約した時間を1時間半過ぎても順番が来ず
待たされる
待たされる
ぜんぶで2000ページ以上ある
Max Galloの『ナポレオン』を持って行ったので
イエナの戦いのあたりを
ずっと読んでいたが
病院の待合室は気の散るところで
なかなか集中できず
ぐんぐんとは読み進められない
予約時間よりも
1時間ほどはやく着いたので
あわせて2時間半ほどは
大きな病院で待たされ続けた
本というものが
わたしにはあってよかった!
と
人生では
何度思ったかしれない
付き添った相手は
診察の前にちょっと食べたい
と求めたので
9階にある食堂に行ってみたが
店開きまで30分ほど必要で
まだ開いていなかった
しかたないので
1階の簡易カフェで
レンジでチンするのであろうナポリタンでも食べたら?
と勧め
あああああああああああああ
また1階に戻るのか
なかなか9階までは来ないエレベーターを
待って
と思わされた
しかし
閉まっている食堂のむこうには
屋上が見えて
ドアが開いていた
ドアからむこうに見える
屋上の一部の光景が
なんと
唖然とするほど夢のように美しく
しばらく見とれてしまった
エレベーターを待っているので
屋上に出てみる時間はない
すこし離れて
エレベーターを待ちながら
ドアのむこうに見える
意想外の光景に
しばらく
陶然とし続けた
住まいから遠くにある
ある大きな病院の屋上の光景を
開いたドアから
しばらく見つめることのできた素晴らしい一日!
と
わたしは
この日を命名し
予期もしなかった光景との出会いを
偶然に対し
あるいは
必然に対し
感謝した
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