小津安二郎の
古い古い
1931年のコメディータッチのサイレント映画
『東京の合唱』を大学生に見せてみたら
こんな感想を書いてきた学生がいた
「義心のために職を失った主人公だが
学生時代の恩師のおかげで無事に職を手に入れることができた。
ハッピーエンドといえばハッピーエンドといえると思うが、
小津監督が描いた社会問題自体はなんら解決していない。
明るい作風ではあるものの、
その実よく考えると恐ろしいものがある。
ただ、人ひとりの力でこのような問題が解決するわけでもない、
そう考えると
映画としてその状況を後世に残したりすることには
計り知れない意味があるように思えた。」
みごとな
鑑賞ぶりではないか
映画で描いてみて
とりあえずのストーリーは
ハッピーエンドっぽく
幕切れにしていってみても
「社会問題自体はなんら解決していない」
小説に描いてみても
ドラマにしてみても
たぶん
取材記事にしてみても
マイクを握って
街頭で叫んでみても
なにひとつ
まったく
0 件のコメント:
コメントを投稿