2025年7月4日金曜日

カナの婚礼


  

 

ヴェネツィアでの婚礼に

ジェフ・ベソスは招いてくれていたけれど

喪に服し続けているので…

ガザの…

と断っておいた

 

ガザならぬ

(そう遠すぎるわけでもない)カナで

むかし

婚礼に招かれた際

水瓶に満たした水を

わたしは葡萄酒に変えて

花婿の誉れとさせた

 

大切なのは

ユダヤ人の清めに用いる

二ないし三メトレテス入りの水瓶を

六つ用意し

縁までそれらを

水で満たすことだった

 

この用意が整わないうちは

「わたしの時はまだ来ていない」と

わたしは言い続けなければ

ならないだろう

 

ちなみに

ジェフ・ベソスも眺めたであろうはずの

ヴェネツィアの潟にある

サン=ジョルジュ・マッジョーレ島の聖堂には

パオロ・ヴェロネーゼが制作した『カナの婚礼』が

16世紀から18世紀にかけて

235年間

食堂に掛けられていた

 

ナポレオンのフランス革命軍の兵士が

イタリア侵攻の際に略奪したが

なにぶん6.77m x 9.94m67.29㎡の面積の

巨大な絵画なので

水平にキャンバスを切断し

丸めてフランスへ持ち帰ることになった

現在はルーブル美術館にある

 

ジェフ・ベソスも眺めたであろうはずの

サン=ジョルジュ・マッジョーレ島の聖堂には

パオロ・ヴェロネーゼが制作した『カナの婚礼』は

現在かかっていない

 

だが

わたしは

あなたがたに言う

目を上げて

畑を見なさい

畑は刈り入れを待っている

すでに

刈る人は報いを受け

永遠の命に至る実を集めている

それは

蒔く人も

刈る人も

ともに喜ぶためである

「一人が種を蒔き

べつの一人が刈り取る」

ということわざが

まさに

ここにあてはまる

 

(ヨハネによる福音書435-37*

 

 

 

 

*フランシスコ会聖書研究所訳注『原文校訂による口語訳聖書』(2011)

 

 





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