定家卿ト云フ名人ノ手跡、以外ノ悪筆也
後世風評
0・2
どこへ未知の水脈をもとめても、もとめるじぶんを伴うほかない。 だから、最高の方法はつねに、動きの放棄なのだ。あるいは、外から来る動きに蹂躙されること。恩寵としての災害や戦乱があるのは、そのためだ。しかし、もっとも苛酷な道を選んでしまったひとには、平和しかない。摘むことなく、ひとつの花を見続けるまなざしとならねば、この最大の試練は越えがたい。
物質もある日、物質であることに飽きるそうだ。その後に起こることは壮絶である。物質であることに飽きた物質は、さらに質の凝縮された物質へと存在の傾斜を進んでいく。そういう本性が物質には組み込まれているという。逃亡は物質の遺伝子には組み込まれていない。ダイヤモンドの苦悩を指に灯して、まるで生きているかのように華やぐおんなたちが、人界にはいる。
[初出] NOUVEAU NOUVEAU FRISSON (ヌーヴォー・ヌーヴォー・フリッソン) numéro 7 (1996年8月)
編集発行人 駿河昌樹
発行場所 東京都世田谷区代田1-1-5、ホース115ー205 〒155
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