2026年2月2日月曜日

恋歌


  

 

愛しているといったね。

というカクテル。

 

血がみどりのきみは

ほんとのにんげんかもしれない。

空がくるしそうだ。

砂あらしが

くる。

 

1から7まで生きてきて

ふいに死ぬもの。

一年にも成長期がある。

八月は初老だ。

 

エックスしようよ。

WYがいった。

WYはエックスで出会う。

クロッカス咲き乱れる

エックス。

 

でんわの線のにょろにょろ。

もとにもどる愛の寓意。

もとにもどれば愛は

あ。

でしかない。

あ。

あ。してる。

 

赤い装丁の聖書が好き。

赤いから。

五百ページくらいあるよ。

いちじくや香油。

蜂蜜やなつめやしや投薬。

あふれ。

 

わたしもシャロンのばら。

野のゆり。

帰るところはわたしの

乳房のあいだ。

たわわな

あなたの隠れどころ。

 

冷えたコーヒーも

冷えたあなたの心臓も

好き。

一晩かかるかも。

あたためる。

あなたを世界とよぶ。

よび続ける。

つくり話、好き。

 

時間もいのちも

むだにしよう。

もっともっともっと。

からだは

あって、ない。

星がいつも

腰から胸へ眼窩へ

ぬけていく。

 

天体の肉。

愛して。愛して。

法則して。

 

髪をたとえるな。

ただ燃やすべきもの。

 

死の床が大河のほとりで

ありますように。

愛はさかな。

水に還る。

わたしの肉はむかしの

父と母の愛。

聖なるかな。

肉欲のはげしさ。

わたしはそこから来た。

それが誇り。

 

大河にわたしを焼き捨てよ。

ひとつの愛が

水に還るために。

 

わたしは愛であった。

それが誇り。

 

さかなにきっとなるんだ。

それが誇り。

水の夢。

 

あたしにはならないの?

水がきく。

 

なるよ。

きっとなる。

 

なる。

 

 

 


 

 

[初出] NOUVEAU FRISSON (ヌーヴォー・フリッソン) numéro 44 (19963)
編集発行人 駿河昌樹
発行場所 東京都世田谷区代田115、ホース115205 155

 





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