大井町駅のホームにいた。
電車をまっていた。
しろうとバリカンされた頭の
酔っぱらいが来て、
「とおきょお、こっちか?」
こっち。
焼酎で酔ったそうだが
あとは
ことばが純粋にことばだ。
かけまわっている。
纏綿。
たはは。
シュールレアリスムなんて
焼酎でできる。
この男のために
待機し続けていたことば。
おやじ。
酵っぱらい。
時来る、だな。
とおきょお行きを教えて
しばらく喋りにつきあって、「んん、
あんた、ゐゐひと。ほんとの
ことだよ。あんた、
ゐゐひと。ほんと、そう思うから、
いってんだ。
あんた、ゐゐひと。」
拝聴つかまつる。
よれよれズボンの
焼酎おやじ。
寒山拾得の譬え。
神はきょう
かかる姿で顕現なさり
いましばし
生きよとわれを
励まし給う。
[初出] NOUVEAU FRISSON (ヌーヴォー・フリッソン) numéro 44 (1996年3月)
編集発行人 駿河昌樹
発行場所 東京都世田谷区代田1-1-5、ホース115ー205 〒155
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