想い出はモノクローム
色をつけてくれ
もう一度 そばに来て
はなやいで
うるわしの color girl
松本隆+大瀧詠一『君は天然色』
東京
あちこち
雑踏のなかを
用事で
好奇心で
気まぐれで
歩きまわりながら
松本隆+大滝詠一の
『君は天然色』を
耳に
響かせていたら
見えるもの
すべて
映像のBGMとして
流れ来ては
流れ去っていき
楽しかった
常軌を逸していた
祭りのさなかのようだった
祝祭だった
なにも
かも
走馬灯のように
流れ去っていった
人生のように
時代のように
出会いのように
別れのように
価値のように
生きがいのように
意味のように
意義のように
夢のように
あこがれのように
恋のように
愛のように
こころのように
意識のように
命のように
空間のように
時間のように
なにも
かも
ぶつかってきそうになる人も
顔をしかめている人も
工事現場で
上を見上げて指示したり
それを聞いて
ちょっと考えごとしているような人も
せっかく
おめかししているのに
なにか心配そうな顔をして
眉間に皺を寄せている女の子も
どこかの田舎からポッと旅に来て
楽しいような
楽しくないようなで
ぼんやりしてしまっている
外国人の
兄ちゃんたちも
なにも
かも
縫うように
歩き抜けていく
ぼくだけの
楽しい背景でしかない
ように
でも
すべて
どれもこれも
あっという間に
ぼくのように
歩き抜け
光速で
消え失せていく
ように
そう
見えるもの
聞こえるもの
現実
とやらは
いつも
くちびる
ツンと尖らせて
なにかたくらむ表情で
わかれの気配を
ポケットに
隠しているもの
https://www.youtube.com/watch?
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