暴力によってしか持てないものは
実際には
人は持ってないのだ
クロムウェル
人里に降りてきて
熊たちが柿を食べている
なんどか
ニュース映像で
見た
映像を見ながら
ぼくの中の熊が呼応する
やっぱり
柿はうまいからなあ
ぼくだって
食べたいなあ
食べるよなあ
ぼくの中の熊だって
食べる
食べたい
ぼくの中の熊が
映像に映っている熊に
呼びかける
山では
食べものが足りないんだろ?
だから食べものを探して
人里まで下りて来るんだろ?
道もわからないだろ?
アスファルトとか
コンクリの壁とか
山と違う硬さのものがあって
歩きづらいだろ?
それでも下りて来るんだろ?
人だって
うまいものを探して
山に入る
儲るものを求めて
山に入る
人だって
人だって
それが
まあ
自然というものだ
食べものを求めて
儲けを求めて
山に入ったり
人里に下りてきたり
鉄砲を持っていない人には
爪や怪力で
熊は勝てるが
鉄砲を持っていない熊には
鉄砲を持った人は
勝てる
最後は
結局
武力闘争だ
ウクライナ軍や
ロシア軍から
バズーカ砲を借りてくればよかろう!
熊にむけて撃てば
イチコロだ
人にむけて撃つより
ジンドウテキ
というものだ!
と主張する人も
出てくるかもしれない
いやいや
原爆を山に落してしまえば
一発で済むじゃないか!
なんたって
熊相手にも核武装だ!
と主張する人も
出てきかねない
そのうち
きっと
山や森をぜんぶなくしてしまえば
熊は絶滅できる!
ぜんぶ国を更地にしてしまおうじゃないか!
と叫ぶ人も
出てくるかもしれない
これが
人間の考え方では
けっこう
自然だ
というところが
困ったものだ
じぶん以外の
ちょっと危ないものは
なんでも
絶滅したがる
じぶんの中の
他人の血や
さまざまな元素には
鈍感なくせに
熊が
どんどん山から下りて来る
って
どんどん
山がいままでの山でなくなっていることで
山でなくなっている山から
むかしどおりの熊が逃げてきているというのに
人がむかしどおりの人であろうとすると
危ないよな
人も人であることを捨てて
人でなくならないと
もっともっと
人非人にならないと
危ないよな
そう
ぼくの中の熊がささやく
「戦争は
狩猟みたいなものだ。
兎たちのほうから
銃を撃ってこない場合にはー
だが。」
La guerre,
c’est comme la chasse,
sauf qu’à la guerre
les lapins tirent.
と
シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)が
言っていたな
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