きみとミキ

 

 

生きていることと

死んでいることが

まったく同じだとわからないと

苦労は続くと思うよ

こころの苦労は

 

生きること

死ぬこと

あれをやること

やらないこと

どれもこれもどうでもいいと

まだわからないようでは

苦労は続くと思うよ

こころの苦労は

 

右だ

ときみは言う

 

左だ

と

ミキは言う

 

ぼくにとっては

きみも

ミキも

いてもいなくても

なにをしゃべっても

しゃべらなくても

どうでもいいのだから

きみとミキが

左だとか

右だとか

ちがったことを言っても

どうでもいい

 

だいたい

きみもミキも

からだは透きとおったままで

まだ

生まれてさえいない

 

右とか

左とか

言っているのだから

しばらく

生まれることはできないだろうと

わかる