2025年8月26日火曜日

超でっかい鉄人28号をいっしょに

 

 

 

 

広島の

今年2025年の

原爆の日

についてなにか書こうとして

なにか

書いたのだが

 

あまりにたくさんのことを書き連ねたので

いくらか

筋を見やすくするために

ほとんどのことは切り取って

メモ書きのほうに落として

20日ほど

ほったらかしておいてしまった

 

この20日のあいだ

にも

あまりにたくさんのことがあり

できるだけ多くのことを

ネット上で

また

SNS上で

収集し続ける任務の宇宙人であるわたしには

意識の休む間のない刻々が続いた

 

人がひとり

あるいは何人もまとまって

さらには

ずいぶんたくさんいっしょに

殺されていく事態は

世界の各地でキノコのように繁茂し

 

本来

暴力を後ろ盾にしないかぎり取り立てられ得ないカツアゲ金として

税金を

たまたま権限や権力を握った者たちが

自分たちへのキックバック付きでばらまく行為も絶えず

 

不正腐敗怠慢ばかりか

善人顔でなされる詐欺行為も

熱帯夜の肌に染み出し続ける汗のように

人間のいるところ

どこでも

まるで排泄物のように

出続け

垂れ流しされ続け

 

そう!

まさしく排泄物なのだろう

中国人が路上で平気で大便をするように

人間はどこにいても

平気で

不正腐敗怠慢ばかりか

善人顔して詐欺もやり続けるのだろう

 

つい昨日おとといには

政府やJICAが日本の4つの市を

アフリカに譲り渡すと公表し

アフリカの公的機関も

BBC

驚くほかない優遇措置を報道したのに

市民からの質問ぜめにあった肝心の市のほうでは

たんなる友好関係の促進をしていくつもりであるだけのことで

SNSで騒がれるような内容ではない

と釈明する始末

ならばアフリカの公的発表や

BBCの報道は否定させなければならないのに

そこまではやる気もないようで

日本政府お得意の「遺憾」表明を真似して

たぶん

うやむやにしていく気配

 

こんなことが次々と起こるものだから

広島の原爆の日のために

たくさん書きつけたメモなども

いつのまにか

時機を失したものになり

お蔵入りになっていく気配

べつに視聴率目当てのテレビ特番でもないというのに

なんとなく

お蔵入り感は

募る

日々が過ぎゆき

世情の色も

においも

変わっていくとなると

 

       *

 

なので

すこぶる強引に

切り替えをしてしまう

という

手が

必要になる

 

       *

 

「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」

 

小学生の頃から

わたしは

この碑文が気に入って

いろいろな解釈を考えたり

いろいろなパロディーを作ってみていた

 

 

◆その1 解釈例のひとつ

「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」

の「過ち」とは

大日本帝国側が

自らの側の戦力や資源量や兵站の力の現実を過大評価し

愚かな戦略を以て

大国アメリカや

近代戦における権謀術数に通じている英仏などに対し

開戦してしまったことを意味する

とし

次の戦争にあたっては

二度と敗北するような愚かな戦争は行わない

絶対に勝利をおさめるような周到な戦争を行うことを誓う

という決意表明である

と解釈した

 

 

◆その2 その1にもとづくパロディー例のひとつ

 

「安らかに眠って下さい 敗北は 繰返しませぬから」

 

       *

 

これらが代表的なものだが

小学生が

どうしてこのようなことを考えたかというと

時代の風潮の影響を強く受けたためではないか

と思える

 

       *

 

1945年から1952年まで

7年間にわたって

連合軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAPによる日本占領が行われたが

この日本占領が終わった後の日本の町では

いたるところで軍艦マーチが鳴り響き

入り口が開けっぱなしだったパチンコ屋でも軍艦マーチ

小学校の運動会でも軍艦マーチ

という状態で

子どもたちは自ずと軍艦マーチ漬けになって育った

 

これは

当時を経験した者でないと

まったく

わからないだろう

 

わたしは

日本占領期よりもはるか後に生まれたが

それでも町中や小学校では

どこもかしこも軍艦マーチで

すこぶる乗りのいいあの曲を鼻歌できるぐらいには

すぐになってしまった

 

なにせ

運動会の

ここぞ!というところでの曲が

軍艦マーチなのである

 

なにせ

パチンコ屋には

子どもがふつうに入って行けて

あちこちで

落っこちているパチンコ玉を拾っては

店員の目を盗んで

空いているパチンコ台で

一発二発

遊んでみる時に

盛大に鳴り続けているのが

軍艦マーチなのである

 

       *

 

もちろん

ある種の人々の集まりからは

「立て、全国の労働者!」

というインターナショナルなどが聞こえてきていたが

どうしたって軍艦マーチの調子のよさのほうが

子どもの感性には響くに決まっている

 

とはいえ

軍艦マーチ漬けで育ったからといって

他の子どもも

わたしも

もちろん軍国少年になったわけではない

 

小学生のわたしは

太平洋戦争を完全に馬鹿にしていた

だいたい

ナチスドイツのあれこれの将校の軍服と比べて

日本軍のカーキに赤いリボン巻きみたいな

どう見ても色彩感覚のダサい軍服には

見ているだけで

腹の底からゲッとなった

 

しかも

モノクロでテレビ放映されていた

毎週の「ディズニーランド」の大ファンだったわたしには

アメリカ自体は心の敵ではなかったし

なんといっても

すてきなお姉さんのマリリン・モンローがいたし

それ以外のお姉さんたちも

金髪でグラマーで笑顔がすてきで

これに比べると

写真で見る過去の日本のあらゆることのダサさには

田舎の墓地に引き込まれるような気持ち悪さを覚えたし

本当に生まれる国を間違えた!

と後悔しきりだった

(でも

なんとか戦争の時代は逸れることができて

そこのところは

ラッキー!

だった)

 

それでも

奇妙なことには

敗北に終わってしまった太平洋戦争の雪辱を

いつか

わたしの世代で晴らしてやる!

と胸に誓っていたのである

 

なにかというと

すぐに

自分が属している土地や

国や

チームや

クラスなどに

自己のアイデンティティーを捏造したがる

人間の自我というものの

悲しいサガのゆえ

というべきだろうが

当時の少年マンガ雑誌の影響なども

大きいのではないか?

と思える

 

少年マガジンや少年サンデーや少年キングや少年画報あたりが

小学生のわたしの毎週の愛読書だったが

それらをめくっていって

肝心のマンガ以上にまず目に入るのは

太平洋戦争時のさまざまな軍艦や戦闘機の

かなりリアルに描かれた絵だった

もちろん

それらがどんなに凄かったか

少年にわかりやすいように

解説が付いている

これを毎週見たり読んだりするのだから

少年の心には

せっかくこれだけの軍事技術力があったというのに

どうして戦争で負けることになってしまったのか?という

けっこう窮極の問いが根付くことになる

 

これと連動するかのように

プラモデルの世界では

軍艦や戦闘機がたくさん売られるようになり

たしかにゴジラやガメラや円谷プロのいろいろな怪獣たちも面白いけれど

別枠で太平洋戦争時の兵器類のプラモデルにも

つねに目を光らせておくのが

当時の少年のお作法のようなものだった

 

結果的に

アメリカとの将来の第二戦争にむけて

ゴジラなどは言うことを聞きそうにないから

メンバーから外すにしても

鉄人28号やガメラあたりは主要戦力として使えるのではないのか

ケムール人やダダなんかも

うまく懐柔すれば

アメリカ全土を恐怖に落とし込めるぞ!

と思いついたり

鉄腕アトムやモスラは

なんか平和主義的過ぎる感じだから

ちょっとムリかなあ?

などと

日夜考えるようになっていった

 

フランケンシュタインという奴の話を知ってからは

そうか!

医学を極めて

フランケンシュタインを大量生産し

アメリカ大陸に向かわせて戦えばいいいのだ!

という戦略に

興奮するようにもなった

もちろん

すてきなお姉さんのマリリン・モンローや

金髪でグラマーで笑顔がすてきな

それ以外のお姉さんたちは

特別に救い出すように

フランケンシュタインには命じておくのである

 

そうして

フロリダのディズニーランドだけは

なにがあっても無傷で無事残しておくように

全部隊にも

鉄人28号やガメラにも

ケムール人やダダにも

フランケンシュタインたちにも

かたく命じておく

ちょうど

B29が殺戮のかぎりを尽くした

東京大空襲で

皇居がほぼ無傷で残されたようなぐあいに

 

      *

 

子どもの頃から

広島の「原爆の日」の

いい子の極みのようなあの式典を

テレビで見るたび

ヘンだなあ

なんか

ヘンだなあ

と思い続けてきた

 

原爆で死んだ人のことを思うのはわかる

原爆で死んだ人の苦しみに思いを寄せるのはわかる

原爆で人が殺されるようなことが二度と起きないようにというのはわかる

 

でも

原爆を落したのは広島人でもなく

日本人でもないよね?

 

あ、ひょっとして

ひどい悪戯をした子どもが引っぱたかれたり

ゲンコツを食らうように

原爆を落されるような悪いことを日本人がしたから

だからあんなふうに

蒸発したり

焼け焦げたり

肌がずり落ちたり

原爆病に罹ったりして

たくさんの人が死んでいくはめになっちゃって

そういう

自分たちがやらかした悪事について

反省!

反省!

反省!

反省!

反省!

してるってわけ?

 

しかし

わたしの少年時代は

ベトナム戦争の時代だった

最新兵器でアジアの小国ベトナムに

連日

空爆をしかけ

地上では村々を焼き払い

村民虐殺もするようなアメリカ軍の行為は

反省!

反省!

反省!

反省!

反省!

なんて全然しないでいいんだ!

悪事とか全然いわれないんだ!

 

きっと

将来

鉄人28号に憧れるベトナム少年が

出てくるだろうなあ

そうしたら

助けあったり共同しあったりして

もうひとつレベルが上の

超でっかい鉄人28号を

いっしょに

作ろうかなあ?

 

そんなことを思いながら

子どもの頃

広島の「原爆の日」の

いい子の極みのようなあの式典を

テレビで見た

 

86日頃は

よく

海に泳ぎに行ったりしていたが

そろそろ

クラゲも多くなってくる頃で

早朝の浜に歩きに出ても

なんとなく

秋っぽい寂しさが

感じられるようになってくる

 

「原爆の日」の式典も

海沿いの宿の

食堂のテレビで見たりしたが

ご飯に生玉子をかけようか?

それとも

納豆を先にかけて食べようか?

その前に

味つけ海苔をご飯に巻いて食べてみてから

焼き魚をひと切れ食べようか?

などと迷いながら

ウ~~~~~~~~~~~~ッ

というあのサイレンを聞いて

「ほら、黙祷しなさい!」

と親に言われて

一分間だけ箸をお茶わんの上に置いて

目をつぶって

手を合わせるのだった






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