「推し」
という言葉を
あちこちで
聞く
もっともイヤな言葉の
ひとつである
使われる意味あいを聞いていると
「ファン」とか
「~が好き」と言っておけば
十分に思う
デブでダサい
初期の伝統的なオタクたちの隠語を
令和の若い女の子たちや
すでに若くない元女の子たちが
やたらと発音している風景は
なんだか
汚い
「推しメン」という言葉は
1980年代に出てきたというが
「モーニング娘。」のファンたちによって
2000年ごろに2ちゃんねるで
盛大に使われるようになったらしい
AKB48の出現で
さらに広く使われるようになった
という
「推し」という言葉自体が本当に大衆化したのは
AKB48の選抜総選挙のテレビ中継が
きっかけになったのらしい
ヘンな人たちによって使い慣らされた隠語が
ヘンなところから世間に広がっていくのは
言葉というものの常ではあるのだが
デブでダサい
初期の伝統的なオタクたちの隠語を
令和の若い女の子たちや
すでに若くない元女の子たちが
やたらと発音している風景は
やっぱり
なんだか
汚い
と感じてしまう
これが
老い
というものだろうか……
「いわゆる“推し”というものですかね……」
などと
ちょっとカッコに入れながら
「推し」を使う女性以外は
そばにいたくない
という気がしてしょうがない
「推し」は
とんでもない数の派生語を持っていて
箱推し
全推し
推しピ
推しぴ
単推し
最推し
一推し
二推し
三推し
神推し
激推し
推し活
推し事
推し変
推し増し
推し被り
推し被り敵視
推し色
推しマーク
などと
すらすら
おしゃべりに混ぜて言われるのを
聞いていると
その昔
ポスト構造主義流行りの頃
知的さを鼻にかける若者たちが
シニフィアン
シニフィエ
エクリチュール
シミュラークル
シミュレーション
テキスト主義
構造主義的云々などと
かならず
おしゃべりに混ぜ込んでいたのを
思い出す
類義語や関連語として
自担
贔屓
尊い
DD(でぃーでぃー)
すなわち
「だれでも大好き(Daredemo Daisuki)」
なども混ぜて来られると
もう
ポスト構造主義流行りの頃どころか
マルクス主義流行りの頃の
「われわれは~」
「断固として~」
「粉砕!」
「~ねばならない!」などを
遠い響きとして
聞くような気になってしまう
そうして思い出すのは
やっぱり
中島みゆきか
「シュプレヒコールの波 通り過ぎていく」
という
あれ
か
世の中はいつも 変わっているから
頑固者だけが 悲しい思いをする
変わらないものを なにかにたとえて
その度崩れちゃ そいつのせいにする
シュプレヒコールの波 通り過ぎていく
変わらない夢を 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと 戦うため
世の中は とても臆病な猫だから
他愛のない嘘を いつもついている
包帯のような嘘を見破ることで
学者は世間を見たような気になる
シュプレヒコールの波 通り過ぎていく
変わらない夢を 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと 戦うため
シュプレヒコールの波 通り過ぎていく
変わらない夢を 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと 戦うため
シュプレヒコールの波 通り過ぎていく
変わらない夢を 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと 戦うため
世情 [Sejou] / 中島みゆき [Miyuki Nakajima] Unplugged cover by Ai Ninomiya
https://www.youtube.com/watch?
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