2025年8月25日月曜日

超人万歳


 

 

人生の真昼

意識の真昼

覚醒の真昼に

おあつらえ向きに暑い夏を

瞬間瞬間

ぼくは楽しんで

暑さに対しネガティブな形容ばかりを吐く

軟弱分子たちを避け

避け

さらに高く

深く

濃く

夏の子たらんとする

 

数日前には

炎天下

帽子もかぶらず

日傘もささずに

三時間も作業して

夕方には

腕も

顔も

ノコギリクワガタのように赤焼けし

今年の夏を

しっかり体に刻印した

 

おお!

なんという喜び!

 

 

大いなる真昼!

人間が

動物から超人への軌道の中間地点に立って

夕方にむかう道を

最高の希望として祝う時だ!

 

夕方にむかう道は

新しい朝への道

没落しゆく者も

そのときには自分を

むこうへ超えていく者として祝うだろう

認識の太陽も南中して

没落しゆく者の

真昼の太陽となるだろう

 

神はみんな死んだ!

さあ、言おうではないか!

超人万歳、と!

 

いつか

大いなる真昼に

これを

ぼくたちの最後の意志としよう!

 

ツァラトゥストラは

こう語った*

 

 



 

*フリードリヒ・ニーチェ 『ツァラトゥストラ』、第1部、「プレゼントをする徳について」。丘沢静也訳(光文社古典新訳文庫)を参考にした。






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