2026年2月10日火曜日

冬の海

 

 

 

さまよいに

この頃

行っていない

冬の海

 

頬を裂くような

冷風や

曇天の重さ暗さを

かつて

自我としたことも

あったのに

冬の海

 

あちこち

錆びた自販機が

傾きかけた

卒塔婆のように立って

なおも

冷えたコーラを

売ろうとする

念の入ったわびしさが

かえって

温かみを感じさせる

冬の海

 

あの頃1

ひとり

あの頃2

ひとり

あの頃3

ひとりで

いまだって

ひとり

いつだって

ひとり

 

たとえ

揺れうごめく人体が

まわりに

たまたま多かったりする時で

あっても

 

行っていない

冬の海

 

 






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