蝶の羽から離れた
鱗粉の
ひとつの裏に
小さな土地を譲られたのは
よかった
そこに家を建ててもらっておいたのも
よかった
ついに地球の地面には落ちず
宇宙のどこへ
逸れていくのか
まるで
しばらく忘れていた無限のように
滞空したままの鱗粉
地球のだれにも
はじめから気づかれず
だれにも永遠に
見わけられることなしに
まるで
今しがた思い出した無限のように
滞空したまま
微細に動き続けていく
あまりに小さなわたくしの棲み処
小さくても大きくても
宇宙ではまったく同じことなのだから…と
まただれかが
姿も影もなしに
大きな宇宙のどこかで
つぶやいている
0 件のコメント:
コメントを投稿