むかしなら旅と呼んで
うれしがった
身と心の移動を
まったく
うれしがらなくなって
幾年?
どこへ行ってみても
あたりまえに
目がものをとらえ
肺が空気を吸い続けることに
なんだか
がっかりしてしまう
どこへ行ってみても
ひとは金儲けばかり考え
ちいさな差異づけに心労し
無数の人体から選び出した一体を
必死に差別化して称揚しあい
むかいあって蕎麦を食べていたりする
心の細胞のひとつひとつが
つぎつぎ脱皮するように
はじけるように旅していた頃の
あの愚かさやおさなさは
戻ってくるだろうか
身と心を焼き捨てればふたたび?
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