「ちなみに」は接続詞で
手元の電子辞書に収録されている明鏡国語辞典によれば
「それまで述べてきた事柄について
本筋から離れて簡単な補足などをつけ加えるときに使う語」
と説明されている
子どもの頃
「ちなみに」と
大人が言うのを聞くたび
血波
などという漢字を想起してしまい
血気にはやる昔の武士が
じぶんの中にふいに目覚めたような気になった
小学生の頃には
保元物語や平治物語の大ファンで
源為朝のスーパーマンぶりや
悪源太義平の勇猛果敢ぶりに心を躍らせていたので
どうしても
「ちなみに」は
血波
に聞こえてしまう
それはそうと
今まで述べたことのなかから
次の話の種を見出しながら
ちょっと逸れつつ
それでいてそれまでの話に沿い続けつつ
話の継ぎ穂を繋げていく
「ちなみに」は
しなやかで
したたかで
強力かつ魅力的な表現で
たとえば詩歌の形式を使って書くような場合
すべて冒頭を
「ちなみに」
で始めてもいいのではないか
と思う
似たような機能を持つ表現は
どれも好きで
「ちなみに」とか
「それはそうと」とか
「ところで」とか
そんな種類のものは
どれも精神にちょっとした風を
サッと送ってくれる
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