2025年6月1日日曜日

夏のふかさ

 


 

六月になったので

月ごとの短歌を屏風に配したものらしい

藤原定家の

『女御入内御屏風歌』の

六月を見直してみる

 

わけゆけば夏のふかさぞしられける杜の下草すゑもはるかに

 

ハッと

させられるのだ

 

しばらく

森や

繁った草原に

分け入っていくことを

していなかった

 

夏のふかさにも

鈍感に

なっていなかったか

 

夏のふかさの知られるような

分け入りかたを

森や草原だけでなく

なにに対しても

しなくなっていなかったか





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