連休の江の島に
むかし
弟と
従妹と行って
鎌倉まで
つらつら
海岸を歩き
途中
浜に打ち上げられた
小さなサメを見つけた
ぼくらは
黙って見続け
弟はたしか
棒の先で突いたりした
棒を捨てずに
アメフラシなんかも
突っついていた
見つけるもの
ひとつひとつに
彼らは
集中し切って遊んでいた
いちばん年上のぼくは
危なくないよう
彼らに目を配り続け
浜にも
落ちているもののどれにも
五月の海にも
没入などできなかった
もう
むかしのこと
彼らはまだ元気だし
ぼくはもう
彼らに目を配り続けていない
江の島には
その後
他の人たちと何度も行ったが
何人かは死んでしまい
何人かは音信不通
この頃
行っていない
江の島
初夏
生しらすが旨いが
あれも
このところ食べていない
(やはり放射能に
(汚されてしまったろうか…
夕暮れになると
浜で
海風に髪をいたぶられながら
暗んでいく海のほうを
ずっと見つめていた
かたわらにいた
あの人たちなしで
ひとりで
あの海風に
いたぶられにいこうか
髪の
まだあるうちに
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