街頭インタヴューに答える人たち
いつからか
テレビのコメンテーターかなにかみたいに
すらすら
きっちり
よどみなく
小器用に
小さくまとめて話すようになった
しかも
どの方面からもヒンシュクを買わないように
徹底的に自己検閲しながら
おりこうさんに
ペロッと吐き出す
日常でおしゃべりする人たちも
つまらないテレビドラマみたいに
ヘンなところにアクセントをつけたり
ボケをたくみに入れたり
お笑いめかしたり
いつからか
そんなふうに話している
だからどうだと言いたいのではないが
むずかしいな
ふつうに話すっていうのは
ムリして味を出そうともせず
かといって
ブスッと重苦しいでもなく
CMみたいにはしゃぐでもなく
疲れたなあ、…なんて
ひと言洩らすにも
たくさんの経験と偶然と
気取りのなさと
気づかいが要る
…たぶん
…たぶん
笹の葉が
さらっと風に鳴り
小川の水に流れていくように
さ、
び、
し、
い、
なんて言う人に
いまどき会ったなら
千年の恋に
落ちてしまうかも
しれません
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