駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2013年6月5日水曜日
冷えたビール
冷えたビールが
宙に浮いて待っている
あそこの路上
グラスのまわりには
こまかく水滴がついて
わずかながら
歴史の過ぎゆきを
吸いとり続ける
そう、
宙に浮いているのさ
あそこに行って
だれでも掴めるのに
なぜだか
だれも手に取ろうとしない
ずっと浮いているのさ
冷えたビール
ぬるくもならないで
あそこの路地
かたわらを
通っていく人はいても
だれも手に取ろうとはしない
歴史の過ぎゆきを
吸いとり続ける
こまかな水滴のついた
グラスのまわり
宙に浮いて待っている
冷えたビール
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