透明に咲き出でた睡蓮は唇
ナイフの軟らかさで
ぼくの背になんども切りつけてくるの
お母さん!
あなたの毛むくじゃらの男根がぼくの大腸に直接つながったまま
広辞苑が下痢
たしかに浣腸器として生まれた妹を焼きもせず生で飲みこんだ罪はぼくにありますから
日の出させてください日の丸シーツ上での爆睡の後
何度言っても「同じこと」と「違うこと」あります男根お母さん!あなたは男だって
最初から知っていたのはぼくだけ
だから生ものなんだぼくは
生ものには
気をつけろよって
居たことのなかったお父さんが
言わなかったとしても天皇陛下をけっきょくどう扱っていいかわからぬまま
にっぽんの理性はらりるれろわゐ○ゑをしてごまかしてるからぼくは
理性しないのでありますお母さん
ぼくには男根はないのです
女根ダだったかなわが子レオナルドよ教えておくれ三千の
膣を持つぼくの御神体をさらにさらに開き
生むかなにっぽん
三千の長き男根わが膣を隈なく埋めて生まさむとせよと御歌ふう
犯して犯してわだつみ虚空
ペンを執り
なにも書かず
生ものが生ものをどとろ出す乾いた男子宮の中すなわち外
指は葱そのもの爪はプラスチックの先駆だから
航海はいつも近いもの
たとえ終わっていても
終わりそうでも
到達しても
またやり直しで男は女、女は男
生、う死死
い卑卑
逃げられない
主語
動詞
ときどき目的語からは逃げおおせて
助詞の陰で一息をついたね
おお追いかけてくる助動詞副詞
形容詞などは馬鹿な追手
しかし問題はどこまで助詞が味方か間諜かってことさ
命取りになるかもしれぬ
いずれな
しかし進まねばならぬこのまま
ぼくはひらがな二字だから
ぼくは
ぼとくだから
お母さん、いないはずの
お父さん、いないはずの
あなたたちにだって生殖器はない
おと母とさとん
おと父とさとん
いっしょにもう一度水浴びしようねぼくら
聖家族のように
なにか特別の
玉のように生まれてきた
かのようだった
ぼくの小さかった頃
神話そのものだった
かのようだった
頃の
…はじめにことばがあった
頃のように
ことば
こ…ば
こばさん
小羽さん
出番です、あなた
それとも小場さんかな
古場さんかな
古葉さんかな
……導かれて
ぼくは永遠に自己紹介し続ける自動機械です
ぼくはことば
あなたのほうは
と
抜きの人
戸抜さん?
斗貫さん?
と、ぬ、き、…さん?
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