ときどきバカな人たちに会う
あんなのは詩じゃない
などと言って
なに様なんだか…
ついでに
言ってくださるのだ
「きみのもな、あれはな…」
すべてが詩だというのが詩のおそろしいところ
詩じゃない
と言ったむこうさまは
かならず
詩じゃない
とこちらを見ている
詩が宗教であるゆえん
ふつうの人は
そりゃ、避けるわな
宗教はめんどうだもの
宗教の人は
うざったいもの
Aが詩ならば
BからZまでも詩なのですよ
BからZまでは
あれは詩じゃない
とAが言いはったって
それはそれ
Aの世界
Aの心ごころ
いまは昔
詩の小出版社の社員で
詩人○○○○
そう名刺に刷ってある人ありき
へえ
どんなの書いているの
と聞くと―
一行も一語も書きません
書く気もないし
読みもしないし
でも
どうせまったく読まれないでしょ
詩って
どれほど突飛かってことだけでしょ
詩人って
まったく書かないのが
だから
いちばん詩人です
…なあるほど
その出版社は倒産し
…どうしちゃったかなあ
彼、あの後
いまだに
詩人○○○○
なら
あまり突飛でないね
かつて
詩人でした
…それもつまらない
思うんだけどね
いつか詩人になります
きっと詩人になります
そう主張されると
なんかすごい
ただならぬ気配
そして
正確
だって
詩人は可能性のなかにしかいないから
来るべき未来のなかにしか
詩人はありえないから
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